「アロマテラピーって結局なんなの?」
あらためて聞かれると、思わず言葉につまってしまうのではないでしょうか?
ここでは、アロマテラピーとは何か、アロマテラピーの定義について、詳しくご説明いたします。
さらに、アロマテラピーという言葉をいったい誰がつくったのか、その人物のエピソードなども含めてご紹介いたします。
これを読めば、あなたも自信をもって人に説明できるようになりますよ!
アロマテラピーを簡単に言うと?
アロマ(=aroma)とは「芳香」、テラピー(=therapy)とは「治療」のこと。アロマテラピーとは、植物の香りや成分を利用した自然療法のことを意味します。
お花屋さんの前を通りかかると、なんとなくホッとした気分になったり、気分が悪いときにスゥッとする香りをかぐとシャキッとしたり・・・・。そんな経験はありませんか? 香りには、こころやからだをリラックスさせたり、リフレッシュさせたりする力があるのです。
アロマテラピーでは、植物から抽出したエキスであるエッセンシャルオイル(精油)を利用します。このオイルの香りを嗅いだり、希釈してトリートメントに利用するなどして、こころやからだの健康に役立てようというのが、アロマテラピーの基本的な考え方です。
アロマテラピーの定義
さきほどはアロマテラピーの簡単な意味を説明しましたが、(公社)日本アロマ環境協会では、アロマテラピーを以下のように定義しています。
アロマテラピーは精油を用いてホリスティックな観点から行う自然療法である。
アロマテラピーの目的は以下のとおりである。
1.リラクセーションやリフレッシュに役立てる。
2.美と健康を増進する。
3.身体や精神の恒常性の維持と促進を図る。
4.身体や精神の不調を改善し正常な健康を取り戻す。
ひとつひとつはよく分かりますが、最初の「ホリスティックな観点から」というのが分かりにくいですね。ここは、もう少しくわしく説明します。
アロマテラピーの核心は「ホリスティック(全体的)」にある
ホリスティックというのは聞き慣れない言葉ですが、いったいどんな意味なのでしょうか? ホリスティック(holistic)には、「全体的な」とか「総合的な」という意味があります。
現代社会で生活していく中で、人は知らず知らずのうちに多くのストレスにさらされます。日常的におこる様々な心身の不調は、過度のストレスが原因になっておこることがとても多いのです。
こころとからだが密接に関係しているということは、今や疑う人はいません。
そんなこころとからだのバランスを整え、トータル的に健康をサポートしていこうというのが、アロマテラピーのもっとも重要な考え方なのです。
この考え方は「ホリスティック・アロマテラピー」と呼ばれ、イギリスを中心に発展してきました。日本では、この英国式のアロマテラピーが主流となっています。
「アロマテラピー」という言葉の誕生
イギリスとは異なるフランスでのアロマの研究
「アロマテラピー」という言葉が生まれたのは、実はフランスです。
フランスは、イギリスとは異なる視点でアロマの研究が行われています。軍医であったジャン・バルネ博士が有名ですが、フランスでは主にエッセンシャルオイル(精油)の薬理作用についての研究が進められました。つまり、「〇〇の精油には殺菌作用がある」といった観点の研究です。
それは「やけど」がきっかけだった
「アロマテラピー」という言葉を作ったのは、20世紀のフランス人化学者、ルネ・モーリス・ガットフォセです。
ガットフォセは化学実験の際の爆発で、大やけどを負ってしまいました。なんと、からだに火がついてしまい、芝生の上を転げ回って火を消したそうです。
患部はひどい状態で、細菌感染をして膿がでたり膨張したりする、いわゆるガス壊疽(えそ)を起こしてしまいますが、彼はその治療にラベンダー精油を使用したそうです。すると、みるみるうちに症状が改善し、驚くほど高い効果をあげました。
それ以来、彼は精油の治療効果の研究に没頭し、1937年に著書『aromatherapie』を書き上げました。
このタイトルは、「aroma(芳香)」と「therapy(療法)」を合体させた、彼の造語です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
アロマテラピーとは、植物の香りや成分を利用した自然療法のこと。こころとからだを含めた、全体的(ホリスティック)な観点から健康をサポートするためのものです。
人は古来から、植物の持つ力をおおいに活用してきました。
薬草で傷を治したり、豊かな緑に囲まれてリフレッシュしたり・・・。
植物には、人のこころとからだのバランスを整え、正しい方向に導く力があります。その植物の持つナチュラルな力を、香りやマッサージなどを通じて積極的に活用していこうというのが、アロマテラピーの考え方です。
ぜひ、アロマの不思議な力を体感してください。