アロマと睡眠のいい関係。よく眠れるおすすめのアロマオイルは?

睡眠とアロマ
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睡眠時間、足りてますか?

2020年のNHKの調査によれば、日本人全体の平均睡眠時間は7時間12分だそうです。特に女性は、40代で6時間53分、50代で6時間36分と短め。

いつも睡眠不足の人は、やはり7時間は睡眠を確保したいところですね。

そうはいっても、現代の生活は忙しく、ストレスも多い。思うようにリラックスできず、不眠に悩まされている方も少なくありません。

そんなとき、わたしがおすすめしたいのは、「アロマオイル」です。

アロマはとってもナチュラル。植物のもつナチュラルな香りや成分がこころとからだをリラックスさせ、穏やかな眠りへといざなってくれます。最近は睡眠サプリも多いですが、それと併用できるのも良いところです。

本記事では、安眠におすすめのアロマオイルや、その使い方について詳しくご紹介いたします。

目次

日本人の平均睡眠時間ってどれくらいなの?

眠れない女性

最初に、日本人の平均的な睡眠時間を確認しておきましょう。これには2020年のNHKによる調査がわかりやすいです。

平均睡眠時間
引用元 NHK国民生活時間調査

日本国民全体の平均睡眠時間は7時間12分。男女とも40代、50代が少ないですね。7時間を切っています。男女別でみると、女性のほうが男性より短くなっているのが気になります。

睡眠不足は、糖尿病や高血圧、脂質異常症、うつ、認知症など、様々な病気のリスクになると考えられています。できれば、毎日7~8時間くらいの睡眠を確保するようにしたいものです。

なぜアロマは安眠に効果があるのか? アロマと睡眠の関係について

ラベンダー精油

アロマオイルはなぜ睡眠に良いのでしょうか? アロマオイルが睡眠の質を向上させるメカニズムには、以下のようなものがあります。

自律神経に働きかける

自律神経とは、その名の通り、自動的にはたらく神経です。呼吸や体温、血圧、心拍数など、わたしたちが特別に意識しなくても、自律神経が自動的に適切な調節をして、からだを健康な状態にしてくれます。

例えば、からだを動かすと心拍数が増え、血管が収縮し、血圧が上がります。これは「交感神経」の働きによるものです。逆にリラックスしているときは心拍数が減り、血管がゆるみ、血圧が下がります。これは「副交感神経」の働きによるものです。

このように「交感神経」と「副交感神経」のバランスをうまくとることで、わたしたちはからだの働きを自動的に(自律的に)調整しています。しかし、ストレスなどでこのバランスが崩れ、「交感神経」が優位になってくると、脳やからだが休息時の状態にならず、睡眠の質も低下してくるわけです。

自然の植物から抽出したアロマの香りは、人間の「副交感神経」を刺激します。「副交感神経」は心拍数を下げ、呼吸を落ち着け、筋肉を弛緩させることで、からだがリラックスした状態に入るのを助けます。これにより、スムーズな入眠や、より質の高い眠りを得ることができるのです。

ストレスホルモンを減少させる

いくつかのアロマオイルには、コルチゾールなどの「ストレスホルモン」の分泌を抑える働きがあります。ラベンダーやカモミールなどの香りはとてもリラックス効果が高く、コルチゾールのレベルを低下させることで、ストレスや不安を軽減してくれます。これが睡眠の質を向上させる一因となります。

幸せホルモンを増加させる

ラベンダーやカモミール、ベルガモットなどのアロマオイルには高い鎮静作用があることが知られていますが、これらのオイルには、精神を安定させ、感情をコントロールしてくれる脳内物質であるセロトニンを増加させる働きがあることが、いくつかの研究によって分かっています。

セロトニンは別名、「幸せホルモン」。ドーパミン(喜びや快楽)やノルアドレナリン(驚きや恐怖)の働きをコントロールし、精神を安定させてくれます。こころを鎮め、気持ちを穏やかにすることで、より良い睡眠をサポートするのです。

よく眠れるおすすめアロマオイル7選

ここでは、特に睡眠に効果のあるアロマオイルを7種類ご紹介します。それぞれの効能や特徴を説明しますので、ご自分に合ったものをお選びください。

1. ラベンダー

ラベンダー

ラベンダーはアロマオイルの中で最も人気があり、睡眠の改善にも広く使われています。ラベンダーの主成分であるリナロールや酢酸リナリルには、副交感神経を刺激し、心拍数を下げ、体の緊張をほぐす働きがあります。

また、ラベンダーには高い鎮静作用があり、ストレスをやわらげ、不安を鎮めてくれます。緊張しているときや考えごとで頭がいっぱいになっているときにも、ラベンダーが役に立ちます。

2. カモミール・ローマン

カモミール

カモミールは甘く優しい香りが特徴で、夜寝る前にカモミールの香りを嗅いだり、カモミールティーを飲んだりすると、リラックスして落ちついた気持ちになれます。

カモミールに含まれるフラボノイドのアピゲニンには、脳内のGABA受容体に結合し、神経を落ち着かせることで、不安や緊張を緩和する効果があることが知られています。この働きがスムーズな入眠を助け、深い眠りへといざなってくれます。不眠症に悩む人にもおすすめのオイルです。

3. ベルガモット

ベルガモット

ベルガモットは柑橘系のフレッシュな香りを持ち、ストレスや緊張を和らげる効果があります。

ベルガモットにはリモネンや酢酸リナリル、リナロールといった成分が含まれており、これらが自律神経系に働きかけ、リラックス効果をもたらします。特にリモネンとリナロールは、気分を落ちつかせ、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑えることが知られています。

4. スイートオレンジ

スイートオレンジ

スイートオレンジは甘く爽やかな柑橘系の香りで、気持ちを明るくする効果と、リラックスさせる効果の両方の特性をそなえています。最近の研究では、スイートオレンジの香りが自律神経を整え、副交感神経を優位にして、睡眠に良い影響を与えることが確認されています。

落ち込んでいるときや疲れが溜まっているときに使うと、気分をリフレッシュさせつつ穏やかな眠りにつくことができます。

5. ネロリ

ネロリ

ネロリはビターオレンジの花から抽出される希少なアロマオイルで、心を落ち着かせる効果にすぐれています。特に強い鎮静作用があり、緊張やストレス、不安を和らげる効果が高いため、寝る前に使用することで深い眠りをサポートしてくれます。

香りはフローラルで甘く優しいため、夜のリラックスタイムにぴったりです。

6. クラリセージ

クラリセージ

クラリセージはホルモンバランスを整える効果が高く、女性に人気のあるオイルです。特に月経周期や更年期の症状で不安定になりがちな時期に、リラックスしながら穏やかな眠りを得るのに役立ちます。

また、クラリセージは心を落ちつかせるだけでなく、幸福感を高め、気持ちを明るくする働きがあるため、自信を失ったとき、疲労困憊したとき、パニックにおちいったときなどにも有効です。

7. サンダルウッド

サンダルウッド

サンダルウッド(白檀)はかつて儀式や瞑想にも使われた香りで、深いリラックス効果があり、睡眠の質を改善してくれることが知られています。

サンダルウッドの主成分であるセスキテルペン類(α-サンタロール、β-サンタロール)が神経を落ちつかせ、副交感神経を活性化することで、心拍数や血圧を低下させ、スムーズな入眠を促します。特に過去の失敗や後悔が頭から離れないときなどには最適の香りです。

ブレンドで相乗効果! おすすめブレンドレシピ

ラベンダー精油

以下は、良い眠りを促すためのおすすめアロマブレンドレシピです。
ブレンドに決まった形はありません。いろいろな組み合わせを試して、ご自分に合った香りを見つけてみてください。

リラックスブレンドラベンダー 3滴
カモミール 2滴
ストレス解消ブレンドベルガモット 3滴
スイートオレンジ 2滴
ネロリ 1滴
安眠ブレンドラベンダー 3滴
スイートオレンジ 2滴
ネロリ 1滴
ディープリラックスブレンドカモミール 2滴
ラベンダー 2滴
サンダルウッド 1滴
ホルモンバランスブレンドクラリセージ 2滴
ネロリ 2滴
ラベンダー 1滴

安眠に効果的なアロマオイルの使い方

アロマディフューザー

ティッシュ、マスク

寝る前にアロマを楽しむ方法として、もっとも手軽で簡単なのはティッシュを使った方法です。ティッシュを4つに折りたたみ、アロマオイルを2~3滴たらすだけ。枕元に置いて香りを楽しみます。

ときどきほんのりと香りを感じるくらいがちょうど良い量です。香りが強すぎても、気になって眠りを妨げることがあります。器具を使わないため、安上がりなのも良いところです。

応用編として、使い捨てマスクにオイルを染み込ませる方法もあります。これだと鼻のすぐ近くにオイルを垂らせるので、香りを感じやすくなります。ティッシュでは物足りないという人には、こちらの方法がおすすめです。

アロマディフューザー、アロマライト

お部屋全体に香りをひろげたい、がっつりと香りを嗅ぎたい、という人には、アロマディフューザーを使う方法がおすすめです。

アロマディフューザーには、オイル瓶を直接セットして圧縮空気で押し出して香りを拡散するものや、超音波振動子で水をミストにして香りを拡散するものがあります。お部屋の隅々まで香りを広げ、リラックスできる環境を整えることができます。

私もよくディフューザーを使いますが、寝るときにはタイマー機能(自動オフ)やインターバル機能(間欠運転)を使うと、オイルの消費をおさえることができます。

常夜灯のように使えるアロマライト(アロマランプ)もおすすめです。私の経験上は、アロマライトは広いエリアには向かない(香りを感じにくい)ので、コード式のタイプで枕元のすぐ近くで使えるものが良いでしょう。

アロマバス(入浴)

お風呂でアロマを楽しむアロマバスは、睡眠にはとても効果的な方法です。お風呂の蒸気で香りが拡散され、全身でアロマを感じながらリラックスすることができます。入浴そのものに高いリラックス作用があるので、アロマとの相乗効果が得られやすいというメリットがあります。

入浴は寝る数時間前におこなうようにして、温度もぬるめに設定するのがコツです。私は寒い冬の季節によく行いますが、経験上、睡眠の質を高めるのにもっとも効果がある方法だと感じています。たくさんの人におすすめしたい方法です。

アロママッサージ

アロマオイルをキャリアオイル(ホホバオイルやスイートアーモンドオイル)に混ぜてマッサージをおこなう方法もあります。キャリアオイル10mlに対してアロマオイル2〜3滴が適量です。マッサージで筋肉の緊張をほぐしながら、香りでリラックスすることができ、スムーズな入眠をサポートしてくれます。

立ち仕事が多くて脚に疲れやむくみがある人や、首筋や肩に慢性的なコリを抱えている人には、アロママッサージはとても有効です。マッサージによって血行が良くなり、また香りの効果と相まって、体が軽くなる感覚を味わえます。寝る前に行うことで、より深い睡眠を得ることができるでしょう。


いかがでしたでしょうか?

アロマオイルは、心地よい香りでリラックスを促し、質の高い眠りをサポートしてくれる強力なツールです。ストレスの多い日々を送っている方には、ぜひアロマを生活に取り入れることをおすすめします。今回紹介した7種類のアロマオイルも、ぜひ参考にしてみてください。

皆さまの睡眠の改善に少しでもお役に立てましたら幸いです!

アロマテラピーは、病気の治療を目的とした医療行為ではありません。また、当サイトの情報は、精油の医学的な効能、効果を保証するものでもありません。精油を使用する際には、製品についての注意事項をよく読み、自己責任の下、正しくお使い下さい。妊娠中の方、病気のある方、健康状態のすぐれない方は、必ず事前に医師にご相談下さい。 なお、一般的な呼称に合わせて、エッセンシャルオイル(精油)をアロマオイルと表記する場合もあります。

著者プロフィール
元AEAJアロマテラピーインストラクター。エッセンシャルオイルの貿易実務に20年以上たずさわってきました。海外のアロマの文献などもチェックしています。

参考文献:
「アロマテラピーのための84の精油」ワンダ・セラー著 フレグランスジャーナル社
「精油の安全性ガイド(上巻、下巻)」ロバート・ティスランド著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー事典」パトリシア・デービス著 フレグランスジャーナル社
「エッセンシャルオイル総覧2007」三上杏平著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー検定テキスト(1級、2級)」鳥居鎮夫監修 社団法人日本アロマ環境協会
「アロマテラピーの事典」林真一郎著 東京堂出版
「キャリアオイル事典」レン・プライス著 東京堂出版
「アロマテラピー図鑑」佐々木薫監修 主婦の友社
「女性によく効くアロマセラピー」鮫島浩二著 主婦の友社
「アロマテラピーの事典」篠原直子著 成美堂出版
「はじめてのアロマテラピー」佐々木薫監修 池田書店
「はじめる、楽しむ アロマテラピー」石原裕子監修 永岡書店
「アロマテラピーバイブル」塩屋紹子監修 成美堂出版

アロマテラピーは、病気の治療を目的とした医療行為ではありません。また、当サイトの情報は、精油の医学的な効能、効果を保証するものでもありません。精油を使用する際には、製品についての注意事項をよく読み、自己責任の下、正しくお使い下さい。妊娠中の方、病気のある方、健康状態のすぐれない方は、必ず事前に医師にご相談下さい。 なお、一般的な呼称に合わせて、エッセンシャルオイル(精油)をアロマオイルと表記する場合もあります。

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