ベチバーの効能を徹底解説!深いリラックスをもたらす土の香りの精油

ベチバー精油
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ベチバーは、とても深みのある香りね。重たい感じ

そうですね。土のような香り、という人も多いですね

リラックスに良さそうな感じがするわね

はい、「静寂の精油」と言われるくらい、鎮静作用には定評があります。以下で詳しくみていきましょう

目次

ベチバーってどんな精油?

ベチバー

どんな香り?

土の香りを思わせる、深みのある香り

どんな植物?

東南アジア原産のイネ科の多年草です。インドやインドネシア、タヒチ、ハイチのような熱帯地域によく見られます。イネのような見た目の、細くとがった葉が2メートルくらいにまで成長しますが、同じくらいの長さの根が地下にも伸びていきます。葉にほとんど香りはなく、精油は根からとれます。

インドや東南アジアの国々では、この草の葉や根を使ってブラインドや天幕、日よけなどを作り、利用してきました。ベチバーは、インド、タミル語で「掘り起こした根」を意味します。

エピソードや歴史、豆知識など

ベチバーから精油をとるようになったのは、比較的最近のことです。ワインのように、年を経るごとに品質が良くなっていく精油と考えられています。

揮発しにくい性質から、この精油は香水の香りを長く保つためのベースノートとしてよく利用されてきました。「ムスリーヌ・デ・ザンド(インドのモスリン)」という有名な香水には、サンダルウッドベンゾイン、タイム、ローズとともにベチバーが使われていました。

ベチバー精油のプロフィール

ベチバーの根

エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)

英名ベチバー
和名ベチベル
学名Vetiveria zizanioides
科名イネ科
抽出部位
抽出方法水蒸気蒸留法
主な産地インドネシア、レユニオン島、ハイチ
主な成分クシモール(15.77%)、ビシクロベチベノール(10.76%)、ビリジフロレン(4.64%)、ベレレノール(3.44%)、α-ベチボン(3.04%)、スパツレン(2.37%)ほか
主な効能、効果強壮、抗炎症、神経バランス調整、催淫、抗菌、鎮静、消化促進
香りの系統オリエンタル系
香りのノートベースノート

ベチバー精油の主な成分と作用

ベチバー精油の成分分析表
データ引用元:
Chemical composition and biological properties of Chrysopogon zizanioides (L.)
Roberty syn. Vetiveria zizanioides (L.) Nash- A Review

クシモール

クシモールは、ベチバー精油の特徴ともいえる、深みのあるウッディで甘い香りを生み出す主成分です。この香りには心を落ち着かせる効果があり、緊張やストレスを和らげる手助けをしてくれます。夜のリラックスタイムや安眠を促したいときにピッタリの成分です。また、抗酸化作用を持つことから、肌の老化を防ぎ、健康的な状態を保つサポートをしてくれます。

ビシクロベチベノール

ビシクロベチベノールはベチバー特有の土っぽさやスモーキーな香りを引き立てる成分です。抗菌作用があり、肌を清潔に保つ効果が期待できます。また、炎症を抑える働きもあるため、肌荒れやかゆみを和らげるのに役立ちます。心を落ち着ける作用があり、感情のバランスを整えたいときや、日々のストレスが気になる場面で活躍します。

ビリジフロレン

ビリジフロレンはベチバーにフレッシュでグリーンな香りをもたらす成分です。抗菌や抗ウイルス作用が期待され、空気を浄化したり、気分をリフレッシュさせたりする効果があります。深く呼吸を促し、頭がスッキリするような感覚を与えてくれるため、集中力を高めたいときや、心を落ち着かせたいときに適しています。

ベレレノール

ベレレノールは、温かみのある穏やかな香りが特徴で、心身を深くリラックスさせてくれます。不安感や焦りを和らげるのに役立ち、心が落ち着くような感覚をもたらします。また、血行を促進し、冷えや筋肉のこりをほぐしてくれるため、マッサージオイルとして利用するのも良いでしょう。

α-ベチボン

α-ベチボンはベチバー精油の香りに奥行きを与える成分で、気持ちを落ち着かせ、しっかりと地に足をつけるような感覚をもたらします。精神的な安定を促し、不安感や心の動揺を鎮める効果があります。眠りを深くする働きもあるため、寝つきが悪い夜にも良いでしょう。

スパツレン

スパツレンはほのかに甘くスパイシーな香りを持つ成分で、優れた抗炎症作用が期待できます。肌の赤みやかゆみを鎮め、肌の健康を守る手助けをしてくれます。また、免疫力を高める効果もあるため、風邪や体調を崩しやすい季節にも良い成分です。

ベチバーの効能や効果

ベチバー

こころに対する効能

鎮静作用

  • ストレスや緊張を抑え、リラックスさせる
  • 気持ちを落ち着け、こころを整える

からだに対する効能

強壮作用、鎮静作用、抗神経障害作用、消毒作用、催淫作用

  • からだ全体の力を高め、健康を取り戻す
  • 血流を促進し、リウマチや関節痛を改善する
  • 不眠症を改善する

肌に対する効能

消毒作用

  • にきびや吹き出物を治す
  • 虫刺されの症状を改善する

専門家からのアドバイス(注意点なども)

ベチバー

元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言

ベチバーはとても濃厚で重たい香りですので、単品でたくさん使うというケースは少ないかもしれません。使う量は少なめにし、主役として別の香りを使い、脇役としてベチバーを少し加えると、バランスの良い香りになります。ラベンダーローズなどと合わせてもいいでしょうし、サンダルウッドベンゾインなどと合わせてもよいでしょう。

精油の粘度は高めで、ビンのドロッパーからなかなか落ちてこないこともありますが、イライラせずに1滴目が落ちるのをじっと待ってください。1滴目が出ると、2滴目からは比較的スムーズに滴下できます。

アロマセラピストコラム(体験談やおすすめの楽しみ方)

アロマセラピストの知人に、体験談やおすすめの楽しみ方、レシピなどを聞きました

とても静かな雰囲気を持つベチバーですが、アロマ初心者の人にはあまりなじみのない精油の1つかもしれません。ただ、ひとたびこの精油の恩恵を受けてしまうと、この精油を見る目が変わります。個人的には、パチュリと並んで大好きな精油の1本です。

私がよく使うのは、いろんなことに過剰に反応してしまうときや、何ごとにも度が過ぎていると感じたとき。例えば、いつもなら軽く聞き流せる言葉が聞き流せずに怒りを感じたり・・・といったときです。この香りを使うことで、ひとまず神経を鎮めて、穏やかな気持ちになれるような気がします。

香りが後まで残りやすい精油なので、トリートメントに使用する際には夜に使うようにしています。眠る前にゆったりバスタイムを満喫してから、ベチバーを使ったトリートメントを行なうと、疲れが溶け出すようにあふれ出し、ゆっくりと深い眠りにつくことができますよ。トリートメントに使うのはちょっと・・という方は、手浴に利用するなどして、穏やかな心地よさを味わって下さい。

ベチバーのおすすめの使い方

気持ちを鎮め、心を落ちつけたいときに

ストレスや緊張を鎮めて心を落ち着けたいときは、ティッシュやハンカチにベチバーを1、2滴たらして、ゆっくりと吸い込んでみましょう。目をつぶり、深呼吸をするようにゆっくりと呼吸をすると効果的です。

自宅にいるときには、アロマポットやアロマライトでお部屋に香りを広げてみましょう。ベンゾインフランキンセンスサンダルウッドなどをブレンドしても良いでしょう。

ぐっすり眠りたい夜に、不眠に

ティッシュにベチバーの精油を1~2滴落とし、枕元に置きます。忘れた頃にふわっと香る程度がちょうどいい量です。ラベンダーベンゾインをブレンドしても良いでしょう。

香りの保留剤として

ベチバーの精油は揮発しにくい性質があるため、精油をブレンドする時の保留剤として利用することができます。香りを長くとどめたいというときは、ベチバーの精油を使ってみましょう。香水を作るときなどにもオススメです。

ベチバーと相性の良い精油

エッセンシャルオイル

ベンゾインイランイラングレープフルーツサンダルウッドジャスミンゼラニウムフランキンセンスパチュリローズラベンダーローズウッド


いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!

著者プロフィール
元AEAJアロマテラピーインストラクター。エッセンシャルオイルの貿易実務に20年以上たずさわってきました。海外のアロマの文献などもチェックしています。

参考文献:
「アロマテラピーのための84の精油」ワンダ・セラー著 フレグランスジャーナル社
「精油の安全性ガイド(上巻、下巻)」ロバート・ティスランド著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー事典」パトリシア・デービス著 フレグランスジャーナル社
「エッセンシャルオイル総覧2007」三上杏平著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー検定テキスト(1級、2級)」鳥居鎮夫監修 社団法人日本アロマ環境協会
「アロマテラピーの事典」林真一郎著 東京堂出版
「キャリアオイル事典」レン・プライス著 東京堂出版
「アロマテラピー図鑑」佐々木薫監修 主婦の友社
「女性によく効くアロマセラピー」鮫島浩二著 主婦の友社
「アロマテラピーの事典」篠原直子著 成美堂出版
「はじめてのアロマテラピー」佐々木薫監修 池田書店
「はじめる、楽しむ アロマテラピー」石原裕子監修 永岡書店
「アロマテラピーバイブル」塩屋紹子監修 成美堂出版

アロマテラピーは、病気の治療を目的とした医療行為ではありません。また、当サイトの情報は、精油の医学的な効能、効果を保証するものでもありません。精油を使用する際には、製品についての注意事項をよく読み、自己責任の下、正しくお使い下さい。妊娠中の方、病気のある方、健康状態のすぐれない方は、必ず事前に医師にご相談下さい。 なお、一般的な呼称に合わせて、エッセンシャルオイル(精油)をアロマオイルと表記する場合もあります。

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