ローズ精油の効能、効果は? どんな香り?

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何世紀にもわたって人々から愛されてきたローズ。その美しい姿と香りは、愛と純潔、そして美のシンボルとして親しまれてきました。ローズの精油は「香りの女王」とも呼ばれています。エレガントな印象の、甘く濃厚なフローラルの香りです。ローズの香りはストレスや緊張をやわらげ、自信と幸福感を与えてくれます。不眠にも効果的です。たくさんの花からわずかな精油しかとれず、非常に高価な精油として知られています。

以下で詳しく見ていきましょう。

目次

ローズ精油のプロフィール

ローズ(バラ)

エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)

英名ダマスクローズ
和名バラ
学名Rosa damascena
科名バラ科
抽出部位
抽出方法水蒸気蒸留法(ローズオットー)
有機溶剤抽出法(ローズアブソリュート)
主な産地ブルガリア、トルコ、モロッコ
主な成分シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、ファルネソール、フェニルエチルアルコール、リナロール、オイゲノール、メチルオイゲノール、cis-ローズオキサイドなど
主な効能、効果強壮、催淫、抗炎症、鎮静、抗うつ、収れん、緩和、高揚、内分泌調整
香りの系統フローラル系
香りのノートベースノート

ローズってどんな精油?

ローズ

どんな香り?

エレガントな印象を持つ、甘く濃厚なフローラルの香り

どんな植物?

ローズ(バラ)は何世紀にもわたって人々から愛されてきた植物。その美しい姿と香りは、愛と純潔、そして美のシンボルとして、人々を魅了し続けてきました。ローズの産地であった中東地方では特に人気が高く、結婚式で床にまかれたりするのはもちろん、戦士たちの武具の飾りなどにも利用されてきました。

トルコ人は17世紀にブルガリアを征服し、この地にローズを導入しました。今ではブルガリアはローズの一大産地として知られています。

エピソードや歴史、豆知識など

精油として抽出されるのは、主にキャベジローズ(Rosa centifolia)とダマスクローズ(Rosa damascena)の2種類です。キャベジローズは花弁の数が非常に多く、密集していて、見た目がキャベツに似ていることからその名が付けられました。ボッティチェリの「ビーナスの誕生」にはこのローズが描かれています。ダマスクローズは中東原産で、二重の花を咲かせるのが特徴です。ブルガリア産のダマスクローズは特に人気があります。

ローズの精油は、その製造方法の違いから大きく2種類に分類されます。揮発性の有機溶剤を使って抽出された精油を「ローズ・アブソリュート」、水蒸気を使った蒸留方法で抽出された精油を「ローズ・オットー」と呼びます。

ローズアブソリュート精油は、キャベジローズとダマスクローズの双方から抽出されますが、ローズオットー精油は主にダマスクローズから抽出されます。たくさんの花からわずかな量しか取れないため、どちらも貴重な精油なのですが、ローズオットー精油のほうが収油量が少ないため、より高価になる傾向があります。

ローズの効能や効果

心に自信と安らぎを与える

ローズは心に対して強く働きかける精油です。美しいフローラルの香りは、鬱々とした感情や悲しみ、嫉妬、恨みといったネガティブな感情をほぐし、心を安定させ自信と安らぎを与えてくれます。ストレスや緊張を和らげ、心を明るく高揚させて、幸福感や自分を肯定する感情を与えてくれます。女性に対してはより女性らしい気持ちを、男性に対してはより男性らしい気持ちを思い起こさせてくれます。
非常に濃厚な香りのため、使用する量は少なめを基本としてください。

ホルモンバランスの乱れに、月経不順に

ローズ精油は子宮のきわめて良い強壮剤となります。ホルモンバランスを整えるとともに、月経前緊張症を鎮め、月経周期を正常化してくれます。

ワンポイントアドバイス

ローズ

華やかで美しいローズの香りは、高いリラックス効果を持っていることでも知られています。ラベンダー以外でリラックスできる精油を探している方は、ローズも選択肢の1つとして考えておくとよいのではないでしょうか?
非常に高価でなかなか手が出せないというのが悩ましいところで、2mlから3mlという少ない量で8,000円を超えてしまうメーカーも多くあります。

最近はホホバオイルで希釈した「3%希釈バージョン」などもありますので、まずはそういったもので香りを試してみるのも良いでしょう 。3%といえども香りはしっかりと感じられるはずです。

ローズに似ている香りとしては、ローズゼラニウムやパルマローザなどがあります。ローズの代わりに、これらの香りを試してみるのも良いでしょう。

ちなみに、ローズマリーはスッキリとした香りで、ローズとはまったく異なります。ローズウッドはほんのりとローズの雰囲気はありますが、「木」から抽出する精油なので基本的にはウッディーな香りです。

ローズのおすすめの使い方

気持ちがふさいでいるとき

ストレスが続いて心が疲れきっているとき、悲しみや怒り嫉妬などで心が晴れないときなどは、ローズの香りが役に立ってくれます。アロマポットやアロマライトなどにローズの精油を1、2滴たらし、お部屋に香りを広げます。ラベンダーゼラニウムスイートオレンジなどをブレンドしても良いでしょう。

ぐっすり眠りたい夜に、不眠症に

お風呂に1、2滴のローズを落とし、よくかき混ぜてゆっくりとつかります。首や肩を軽くさすったり、手足を軽く揉んだりするとよいでしょう。ラベンダーネロリとのブレンドもおすすめです。ティッシュに精油を1、2滴垂らし、枕元に置くのも効果的です。

あらゆる肌タイプのスキンケアに

ローズ精油はスキンケアにも効果があり、あらゆる肌タイプに適しています。特に老化肌や乾燥肌、敏感肌に有効です。炎症にも高い効果を発揮します。

ローズ精油を抽出する際に同時に得られる水、ローズウォーターは、ローズの成分や香りを微量に含んでおり、化粧水として使用できます。コットンや手で顔にパッティングしましょう。その後、ローズ精油を使ったマッサージなどをすればさらに効果的です。ホホバオイルなどのキャリアオイルにローズ精油をブレンドし、やさしくマッサージしてみましょう。ゼラニウムネロリなどをブレンドしても良いでしょう。

ローズと相性の良い精油

エッセンシャルオイル

スイートオレンジカモミールクラリセージサンダルウッドジャスミンゼラニウムネロリパチュリ、パルマローザ、ベルガモットラベンダー

いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!

著者プロフィール
元AEAJアロマテラピーインストラクター。エッセンシャルオイルの貿易実務に20年以上たずさわってきました。海外のアロマの文献などもチェックしています。

参考文献:
「アロマテラピーのための84の精油」ワンダ・セラー著 フレグランスジャーナル社
「精油の安全性ガイド(上巻、下巻)」ロバート・ティスランド著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー事典」パトリシア・デービス著 フレグランスジャーナル社
「エッセンシャルオイル総覧2007」三上杏平著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー検定テキスト(1級、2級)」鳥居鎮夫監修 社団法人日本アロマ環境協会
「アロマテラピーの事典」林真一郎著 東京堂出版
「キャリアオイル事典」レン・プライス著 東京堂出版
「アロマテラピー図鑑」佐々木薫監修 主婦の友社
「女性によく効くアロマセラピー」鮫島浩二著 主婦の友社
「アロマテラピーの事典」篠原直子著 成美堂出版
「はじめてのアロマテラピー」佐々木薫監修 池田書店
「はじめる、楽しむ アロマテラピー」石原裕子監修 永岡書店
「アロマテラピーバイブル」塩屋紹子監修 成美堂出版

アロマテラピーは、病気の治療を目的とした医療行為ではありません。また、当サイトの情報は、精油の医学的な効能、効果を保証するものでもありません。精油を使用する際には、製品についての注意事項をよく読み、自己責任の下、正しくお使い下さい。妊娠中の方、病気のある方、健康状態のすぐれない方は、必ず事前に医師にご相談下さい。 なお、一般的な呼称に合わせて、エッセンシャルオイル(精油)をアロマオイルと表記する場合もあります。

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