ベチバーは東南アジア原産のイネ科の植物。2mほどの細長い葉をもち、同じように長い根を地中に伸ばします。精油は根を蒸留して得られます。土の香りを思わせる、深みのある香りです。強いリラックス作用があり、不眠の改善などにも役立ちます。香りが長く持続することから、香水のベースノートにもよく利用されています。
以下で詳しく見ていきましょう。
ベチバー精油のプロフィール
エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)
英名 | ベチバー |
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和名 | ベチベル |
学名 | Vetiveria zizanioides |
科名 | イネ科 |
抽出部位 | 根 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主な産地 | インドネシア、レユニオン島、ハイチ |
主な成分 | イソバレセノール、クシモール、β-ベチボン、α-ベチボン、β-ベチベノン、β-カリオフィレン、δ-ガジネン、アロマデンドレン、α-グルジュネン、cis-カラメネン、t-カラメネンほか |
主な効能、効果 | 強壮、抗炎症、神経バランス調整、催淫、抗菌、鎮静、消化促進 |
香りの系統 | オリエンタル系 |
香りのノート | ベースノート |
ベチバーってどんな精油?
どんな香り?
土の香りを思わせる、深みのある香り
どんな植物?
東南アジア原産のイネ科の多年草です。インドやインドネシア、タヒチ、ハイチのような熱帯地域によく見られます。イネのような見た目の、細くとがった葉が2メートルくらいにまで成長しますが、同じくらいの長さの根が地下にも伸びていきます。葉にほとんど香りはなく、精油は根からとれます。
インドや東南アジアの国々では、この草の葉や根を使ってブラインドや天幕、日よけなどを作り、利用してきました。ベチバーは、インド、タミル語で「掘り起こした根」を意味します。
エピソードや歴史、豆知識など
ベチバーから精油をとるようになったのは、比較的最近のことです。ワインのように、年を経るごとに品質が良くなっていく精油と考えられています。
揮発しにくい性質から、この精油は香水の香りを長く保つためのベースノートとしてよく利用されてきました。「ムスリーヌ・デ・ザンド(インドのモスリン)」という有名な香水には、サンダルウッド、ベンゾイン、タイム、ローズとともにベチバーが使われていました。
ベチバーの効能や効果
こころに対する効能
- ストレスや緊張を抑え、リラックスさせる
- 気持ちを落ち着け、こころを整える
からだに対する効能
- からだ全体の力を高め、健康を取り戻す
- 血流を促進し、リウマチや関節痛を改善する
- 不眠症を改善する
肌に対する効能
- にきびや吹き出物を治す
- 虫刺されの症状を改善する
ワンポイントアドバイス
ベチバーはとても濃厚で重たい香りですので、単品でたくさん使うというケースは少ないかもしれません。使う量は少なめにし、主役として別の香りを使い、脇役としてベチバーを少し加えると、バランスの良い香りになります。ラベンダーやローズなどと合わせてもいいでしょうし、サンダルウッドやベンゾインなどと合わせてもよいでしょう。
精油の粘度は高めで、ビンのドロッパーからなかなか落ちてこないこともありますが、イライラせずに1滴目が落ちるのをじっと待ってください。1滴目が出ると、2滴目からは比較的スムーズに滴下できます。
ベチバーのおすすめの使い方
気持ちを鎮め、心を落ちつけたいときに
ストレスや緊張を鎮めて心を落ち着けたいときは、ティッシュやハンカチにベチバーを1、2滴たらして、ゆっくりと吸い込んでみましょう。目をつぶり、深呼吸をするようにゆっくりと呼吸をすると効果的です。
自宅にいるときには、アロマポットやアロマライトでお部屋に香りを広げてみましょう。ベンゾインやフランキンセンス、サンダルウッドなどをブレンドしても良いでしょう。
ぐっすり眠りたい夜に、不眠に
ティッシュにベチバーの精油を1~2滴落とし、枕元に置きます。忘れた頃にふわっと香る程度がちょうどいい量です。ラベンダーやベンゾインをブレンドしても良いでしょう。
香りの保留剤として
ベチバーの精油は揮発しにくい性質があるため、精油をブレンドする時の保留剤として利用することができます。香りを長くとどめたいというときは、ベチバーの精油を使ってみましょう。香水を作るときなどにもオススメです。
ベチバーと相性の良い精油
ベンゾイン、イランイラン、グレープフルーツ、サンダルウッド、ジャスミン、ゼラニウム、フランキンセンス、パチュリ、ローズ、ラベンダー、ローズウッド
いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!