ローズマリーはスッキリとしたハーブの香りね
そうですね。頭をクリアにしてくれるので、勉強や仕事などの集中したいときにいいですね
スキンケアにもいいって聞いたけど、本当?
はい、収れん作用が強いので、お肌のたるみにも利用されます。以下で詳しくみていきましょう
ローズマリーってどんな精油?
どんな香り?
フレッシュで染みとおるような、ハーブの強い香り
どんな植物?
肉や魚の臭み消しに使われるローズマリーは、地中海沿岸地方原産の常緑低木です。細長い葉をつけ、高さ2メートルくらいまで成長します。フランスやチュニジア、スペインなどで生産されており、地中海地方おなじみの植物となっています。
ローズマリーという名前は「海のしずく」という意味のラテン語であるRosmarinusに由来しています。これはこの植物が水辺を好んで生育するためです。
エピソードや歴史、豆知識など
ローズマリーは大変古くから知られており、古代ギリシア人やローマ人はこれを復活の象徴と考えてきました。 神々の像をローズマリーの葉で飾り、これを薫香として炊いて悪霊を払っていました。エジプトの墳墓の中にも、ローズマリーの植物の残骸が見つかっています。古代から様々な宗教的な場面でこの植物が使われてきたことがうかがえます。
ローズマリーは若返りの象徴とも考えられてきました。ハンガリーの王妃エリザベートが、この植物を使った化粧水で若さを取り戻したと言うエピソードは大変有名です。ローズマリーとローズウォーターを使ったこの化粧水は「ハンガリー王妃の水」と呼ばれ、18世紀にオーデコロンが発売されるまで高い人気を博しました。
邪気をはらうと考えられていたローズマリーは、古くから伝染病の予防にも大きな役割を果たしてきました。フランスの病院では、長い間、ローズマリーやジュニパーの小枝を炊いて病院の空気の浄化をしていました。昔の人は経験的にローズマリーの特性を理解していたようです。
ローズマリー精油のプロフィール
エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)
英名 | ローズマリー |
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和名 | マンネンロウ |
学名 | Rosmarinus officinalis |
科名 | シソ科 |
抽出部位 | 葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主な産地 | フランス、スペイン、モロッコ、チュニジア |
主な成分 | ローズマリー・カンファー: α-ピネン、カンファー、カンフェン、p-シメン、1,8-シネオール、リモネン、α-テルピネンなど ローズマリー・シネオール: 1,8-シネオール、α-ピネン、カンファー、β-カリオフィレン、ボルネオール、酢酸ボルニル、リモネン、ミルセンなど ローズマリー・ベルベノン: α-ピネン、カンフェン、ベルベノン、カンファー、ボルネオール、酢酸ボルニル、1,8-シネオールなど |
主な効能、効果 | 強肝、血圧上昇、抗うつ、抗リウマチ、刺激、消化促進、頭脳明晰化、鎮痙、鎮痛、通経、発汗、利尿、収れん |
香りの系統 | ハーブ系 |
香りのノート | ミドルノート |
ローズマリー精油の主な成分と作用
α-ピネン
α-ピネンは、ローズマリー精油の中でも爽やかな香りを生み出す成分です。この成分には炎症を抑える効果や気管支を広げる働きがあり、呼吸を楽にするサポートをしてくれます。また、頭をクリアにして集中力を高める効果も期待されるため、仕事や勉強にも良い影響を与えてくれます。
カンファー
カンファーは、ローズマリーの刺激的な香りを構成する成分です。血流を促進し、筋肉のこりをほぐす働きがあるため、疲れた体を癒やすマッサージにもよく用いられます。また、気分をリフレッシュさせ、心に活力を与えてくれます。
カンフェン
カンフェンは、お肌を保護する機能が注目されています。この成分には抗菌や抗酸化作用があり、肌を清潔を保つとともに、紫外線や環境ストレスから肌を守ってくれます
p-シメン
p-シメンは、独特の暖かみのある香りを生み出す成分で、抗菌や抗真菌作用があります。この成分には免疫機能をサポートする働きがあり、風邪をひきやすい季節の体調管理に適しています。また、心を落ち着かせ、リラックスさせる効果もあります。
1,8-シネオール
1,8-シネオールは、ユーカリにも多く含まれる成分で、清涼感のある香りが特徴です。この成分には抗菌や抗ウイルス作用があり、鼻づまりや呼吸の不調を和らげるサポートをしてくれます。また、頭をスッキリさせて集中力を高める働きもあり、心身をリフレッシュしたいときにもおすすめです。
リモネン
リモネンは爽やかな柑橘系の香りを感じさせる成分です。脂肪の分解や抗酸化作用があり、体内のデトックスをサポートしてくれます。また、ストレスを和らげ、リラックスさせる効果もあるため、疲れた心と体に優しく寄り添ってくれます。
ローズマリーの効能や効果
こころに対する効能
- 脳に刺激を与え、頭脳を明晰化し、記憶力を高める
- 頭をクリアにし、集中力を高める
- 弱った心や疲れた心を刺激し、元気づける
からだに対する効能
- 頭痛、片頭痛、痛風、リウマチ、軽いめまいの症状をやわらげる
- 筋肉のこりをほぐし、痛みをやわらげる
- 消化器系の働きを促し、消化不良や胃痛を改善する
肌に対する効能
- 強い収れん作用があり、たるんだ皮膚やむくみを改善する
- 頭皮を刺激し、発毛の促進やフケ予防に役立つ
専門家からのアドバイス(注意点なども)
元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言
頭をクリアにして集中力を高めてくれるローズマリーですが、近年は、脳を活性化させ認知症を予防する香りとしてテレビで紹介され、にわかに注目度が高まっています。カンファー成分の多い、ローズマリー・カンファーとレモンとのブレンドが推奨されていました。ローズマリーとレモンは香りの組み合わせとしても良いため、ぜひ日常的に香りを楽しんで、脳機能の活性化に役立ててほしいと思います。(ブレンド比率などは後述します。)
ローズマリーはスッキリとした基調の香りですが、少しクセがありますので、ブレンドして楽しむと良いかもしれません。柑橘系ではオレンジやグレープフルーツ、レモングラスなども良いですし、スッキリ系でまとめるならペパーミントやフランキンセンスなども良いでしょう。
ハンガリー王妃にならって、ローズウォーターとローズマリーをブレンドした、手作りのハンガリアンウォーターを作ってみるのも良いですね。オイルと水は混ざりにくいため、少量のエタノールにオイルを溶かし、その後でローズウォーターと混ぜると良いでしょう。エタノールはオイルと水の両方に溶けるため、つなぎの役割を果たします。50mlのボトルで作る場合は、ローズウォーター45 ml、エタノール5 ml、ローズマリー精油10滴ほどが適量です。
なお、ローズマリーはきわめて刺激が強いため、てんかんの人や高血圧の人には向きません。また、通経作用もあるため、妊娠中の人は避けたほうが良いでしょう。
認知機能の実験では、ローズマリー・カンファー2に対してレモン1の割合でブレンドした精油を朝(9-11時)に使用し、ラベンダー2に対してスイートオレンジ1の割合でブレンドした精油を夜(19時半-21時)に使用していました。
朝にローズマリー&レモンで嗅覚を刺激すると交感神経系が優位に働き、夜にラベンダー&オレンジで嗅覚を刺激すると副交感神経系が優位に働く、とのことでした。簡単ですので、ぜひお試しください!
アロマセラピストコラム(体験談やおすすめの楽しみ方)
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昔、ハンガリーの王妃が高齢になってからローズマリーを主成分とした化粧水(ハンガリアンウォーター)を使用し、みるみるうちに若々しい姿を取り戻したという有名なエピソードがあります。
実際にそこまでの効果があるかどうかはなんとも言えませんが、ローズマリーのフローラルウォーターはスキンケアとして大変人気があります。スッキリとしたクリアな香りなので、就寝前よりも朝の目覚めに使ったほうが良いと思います。
試験前で集中力のアップをはかりたいときや、リフレッシュしたいときなどには、この精油で芳香浴をすると良いでしょう。また、立ち仕事が続いた後やエクササイズの後のこり固まっている体には、ローズマリーをつかったマッサージオイルでマッサージするのもおすすめです。
ローズマリーは、突き刺さるようなシャープな香りから、やわらかな印象を持った香りまで、精油のブランドによって香りにかなり幅があります。興味のある方はいろいろなブランドのローズマリーを試してみるのも良いかもしれません。
ローズマリーのおすすめの使い方
頭をクリアにしたいとき、記憶力を高めたいとき、認知症の予防に
集中して勉強や仕事をしたいとき、記憶力を高めたいときなどは、ローズマリーの香りが役に立ちます。陶器のアロマストーン(アロマプレート)にローズマリーの精油を数滴たらしてデスクの上やテーブル周りにおきます。レモンの精油をブレンドしても良いでしょう。アロマライトなどの専用の芳香器具も役に立ちます。
目覚めを良くしたいとき
朝なかなか目が覚めないときは、洗面器に熱めのお湯をはり、ローズマリーの精油を1、2滴落として手を入れましょう。また、朝シャワーを浴びる際に床に1滴ローズマリーの精油を落とし、そのままシャワーを浴びると、シャワーの熱でローズマリーの香りが立ち上り、爽快な気分を味わうことができます。
足や肩がパンパンな時に
立ち仕事などが続いて足がパンパンなときやパソコン仕事が続いて肩がパンパンなときには、マッサージが効果的です。ホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどのキャリアオイルにローズマリーの精油を数滴ブレンドしてマッサージをします。この際、リンパの流れを意識して、体の先端部分から体の中心部分に向かってマッサージを行うと効果的です。ジュニパーやレモングラスなどの精油をブレンドしても良いでしょう。
ローズマリーと相性の良い精油
スイートオレンジ、グレープフルーツ、シダーウッド、ジンジャー、ゼラニウム、フランキンセンス、バジル、ペパーミント、マンダリン、メリッサ、ライム、レモングラス
いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!