ペパーミントの効能を徹底解説!心と体をクールダウンさせる爽やかな香り

ペパーミント精油
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ペパーミントはなじみのある香りね。メントールのスーッとする爽快な香り♪

そうですね。スッキリとした中に、甘みも感じますね

なんだか鼻が通りそう。かぜにも良さそうね

はい。呼吸器系だけでなく、消化器系や痛みにも効果があったりと、薬効がたくさんあります。以下で詳しくみていきましょう

目次

ペパーミントってどんな精油?

ペパーミント

どんな香り?

スーッと染みとおるようなメントールの香り

どんな植物?

ヨーロッパ原産の多年草です。湿り気のある気候条件を好み、80センチくらいの高さにまで成長します。繁殖力は極めて高く、いろいろな種を混ぜて植えるとすぐに交雑種が出来上がるほどです。

ペパーミントはウォーターミントとスペアミントの交雑種で、18世紀にイギリスのミッチャム地方で栽培が始まり、その後世界各地に広まりました。現在の主要な栽培国はアメリカで、アメリカンミントとも呼ばれます。

エピソードや歴史、豆知識など

ペパーミントは古代エジプト人、ギリシャ人、ローマ人にも知られており、当時からすでに食事や香料の成分などに用いられてきました。ギリシャ神話にも、冥界の王ハデスの浮気相手メンテ(メンタ)が奥さんの逆鱗に触れて草に変えられてしまう、という話があります。ちなみに、ペパーミントの学名はMentha Piperita(メンタピペリタ)です。

ペパーミントはガムやキャンディーなどのほか、歯磨き粉などの成分として、幅広く使われています。アロマテラピーでも人気が高く、多くの人に愛される精油のひとつです。

ペパーミント精油のプロフィール

ペパーミント

エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)

英名ペパーミント
和名セイヨウハッカ
学名Mentha piperita
科名シソ科
抽出部位
抽出方法水蒸気蒸留法
主な産地アメリカ、フランス、オーストラリア
主な成分メントール(43.66%)、メントン(20.02%)、イソメントン(7.73%)、1,8-シネオール(6.49%)、メチルアセテート(3.31%)など
主な効能、効果強心、去痰、血管収縮、冷却、解熱、健胃、抗炎症、頭脳明晰化、鎮痙、鎮痛、通経、発汗、収れん、殺菌
香りの系統ハーブ系
香りのノートトップノート

ペパーミント精油の主な成分と作用

ペパーミント精油の成分分析表
データ引用元:
CHEMICAL COMPOSITION AND ANTIBACTERIAL ACTIVITY OF THE ESSENTIAL OIL OF MENTHAE PIPERITAE L.

メントール

メントールはペパーミント精油の代表的な成分で、清涼感のある香りが特徴です。肌や粘膜に触れると爽やかな冷感を与え、暑い季節やリフレッシュしたいときに心地よい感覚をもたらします。また、痛みや炎症を和らげる働きがあるため、筋肉痛や頭痛の緩和にも役立ちます。鼻づまりを解消し、呼吸を楽にしてくれるため、風邪や花粉症のケアにも広く利用されています。

メントン

メントンはペパーミントの香りに深みを加える成分で、やや甘さを含んだ、柔らかな香りがあります。この成分にはリラックス効果があり、心の緊張をほぐして穏やかな気分をもたらします。また、消化を助ける作用が期待され、胃腸の不快感やガスの溜まりを和らげるのにも効果的です。メントールとの相乗効果で、全体的な心身のケアをサポートします。

イソメントン

イソメントンはメントンに近い性質をもった、より穏やかな香りの成分です。心を落ち着け、ストレスを和らげる働きがあります。特に、緊張しやすい場面やリラックスしたいときに優しく作用し、心と体のバランスを整える手助けをしてくれます。メントールやメントンと合わさることで、香りに奥行きを与え、リラクゼーション効果を高めてくれます。

1,8-シネオール

1,8-シネオールは清涼感を生み出す成分の一つで、ユーカリ精油にも多く含まれています。この成分には殺菌や抗ウイルスの作用があり、風邪やインフルエンザなどの予防や改善に効果が期待されます。また、鼻づまりやたんを解消して呼吸を楽にするため、季節の変わり目や花粉の季節に役立つ存在です。シャープな香りが頭をスッキリさせ、集中力を高める効果も持っています。

メチルアセテート

メチルアセテートは、ペパーミントの爽やかさにやわらかな甘さを加える成分で、全体的な香りのバランスを整えています。この成分には気持ちを落ち着ける作用があり、緊張した心をほぐしてリラックスを促します。また、香りを嗅ぐことで気分が明るくなる効果もあり、疲れたときのリフレッシュにもおすすめです。

ペパーミントの効能や効果

ペパーミント精油

こころに対する効能

鎮静作用、刺激作用

  • 怒ったときやヒステリーをおこしたとき、心をクールダウンさせる
  • ストレスや疲れを癒やし、心身をリラックスさせる

からだに対する効能

強肝作用、強心作用、去痰作用、駆虫作用、駆風作用、血管収縮作用、解熱作用、健胃作用、抗神経障害作用、刺激作用、歯痛緩和作用、頭脳明晰化作用、制吐作用、胆汁分泌促進作用、鎮痙作用、鎮痛作用、通経作用、発汗作用、鼻粘液排出作用、麻酔作用

  • 呼吸器系の不調、かぜ、ぜんそく、鼻詰まりの症状をやわらげる
  • 消化器系の不調、下痢、便秘、吐き気、乗り物酔いの症状をやわらげる
  • 頭痛、歯痛、神経痛、リウマチ、筋肉痛の痛みをやわらげる
  • 体に刺激を与え、ショックやめまい、貧血、失神の症状を改善する

肌に対する効能

収れん作用、消炎作用、消毒作用

  • にきび、皮膚の炎症、かゆみ、日焼けの症状を改善する
  • 脂性肌に有効

専門家からのアドバイス(注意点なども)

ペパーミント精油

元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言

心と体をクールダウンする効果が非常に高いペパーミント。

混雑した場所で人に酔ってしまったり、ドライブ中に気分が悪くなったり。こういう突発的なトラブルのときにも、ペパーミントが役に立ってくれます。ティッシュに1、2滴たらしたり、あるいは直接ビンから香りを嗅ぐだけで、だいぶ気分が和らぎます。1本持っていると、何かのときに役立つかもしれません。

リフレッシュさせる香りとして有名ですが、反対にこの香りで寝付きが良くなるという人も多くいます。ペパーミントには心身をリラックスさせる作用もありますので、寝付きの悪い方は、いちど試してみると良いかもしれません。

ペパーミントをお風呂で使うときには注意が必要です。ペパーミントは肌への刺激が強いので、アロマバスに使うと皮膚に刺激を与える場合があります。またペパーミントは肌を冷やす作用も高いので、冬場などは寒さを感じる場合もあります。使用する量には十分注意してください。

強力な作用をもつ精油ですので、妊娠中の人はできるだけ避けたほうが良いでしょう。

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ハーブティーとしても有名なペパーミント。

精油としては、気分をリフレッシュさせる芳香浴や、キャリアオイルに数滴落として疲れたからだにマッサージ、といった使い方があります。夏場にはペパーミントとレモングラスとのブレンドで虫除けスプレーを作ったり、香りの清涼感を利用してリフレッシュ用ルームスプレーを作るのも楽しい使い方の一つですね。

私がよく利用するのは、ペパーミントのビンから直接鼻で香りを嗅ぐという、地味な方法です。

私の場合、ペパーミントが必要になるときはなぜか突発的な事情が多いのです。ハメをはずしてお酒を飲みすぎたときや、おいしいものを食べ過ぎたとき、さらには寝不足のときなどなど・・・。自分の不摂生を呪いたくなるようなときに助けてくれるのがこのペパーミントのスッキリとした香りなのです。

直接ビンから香りを嗅いだり、ティッシュに1滴落として近くに置くだけの簡単な方法で、カラダが元のシャキッとした状態に戻っていくのを感じます。簡単なので、ぜひおためしください!

ペパーミントのおすすめの使い方

落ち着きを取り戻したいときに

試験や仕事のプレゼンの前など、緊張して気が動転しているときや落ち着きを取り戻したいときなどは、アロマポットやアロマライトなどを使ってペパーミントの香りをお部屋に広げてみましょう。高ぶった心を鎮めて、リラックスさせてくれます。

やる気を出したいときに

心が疲れてやる気が出ないとき、無気力な状態が続いているときは、アロマポットやアロマライトなどを使ってペパーミントの香りをお部屋に広げてみましょう。レモンローズマリーなどの精油をブレンドしても良いでしょう。疲れた心に刺激を与え、やる気をサポートしてくれます。

鼻やのどが気になるときに

冬場や花粉の季節など、鼻やのどが気になるときには、ティッシュにペパーミント精油を1、2滴たらし、香りを嗅ぐと良いでしょう。マスクの肌に触れない部分に精油を1滴染み込ませるのも効果的です。

ペパーミントと相性の良い精油

エッセンシャルオイル

ベンゾインサイプレス、シダーウッド、パイン、マージョラム、マンダリン、ラベンダーローズマリー

いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!

著者プロフィール
元AEAJアロマテラピーインストラクター。エッセンシャルオイルの貿易実務に20年以上たずさわってきました。海外のアロマの文献などもチェックしています。

参考文献:
「アロマテラピーのための84の精油」ワンダ・セラー著 フレグランスジャーナル社
「精油の安全性ガイド(上巻、下巻)」ロバート・ティスランド著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー事典」パトリシア・デービス著 フレグランスジャーナル社
「エッセンシャルオイル総覧2007」三上杏平著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー検定テキスト(1級、2級)」鳥居鎮夫監修 社団法人日本アロマ環境協会
「アロマテラピーの事典」林真一郎著 東京堂出版
「キャリアオイル事典」レン・プライス著 東京堂出版
「アロマテラピー図鑑」佐々木薫監修 主婦の友社
「女性によく効くアロマセラピー」鮫島浩二著 主婦の友社
「アロマテラピーの事典」篠原直子著 成美堂出版
「はじめてのアロマテラピー」佐々木薫監修 池田書店
「はじめる、楽しむ アロマテラピー」石原裕子監修 永岡書店
「アロマテラピーバイブル」塩屋紹子監修 成美堂出版

アロマテラピーは、病気の治療を目的とした医療行為ではありません。また、当サイトの情報は、精油の医学的な効能、効果を保証するものでもありません。精油を使用する際には、製品についての注意事項をよく読み、自己責任の下、正しくお使い下さい。妊娠中の方、病気のある方、健康状態のすぐれない方は、必ず事前に医師にご相談下さい。 なお、一般的な呼称に合わせて、エッセンシャルオイル(精油)をアロマオイルと表記する場合もあります。

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