オレンジはみんな大好きな香りよね。甘くて、フルーティ。とってもいい香り♪
そうですね。アロマテラピーではラベンダーが一番有名ですが、わたしとしては、まずオレンジをおすすめしたいですね
効能としては、リフレッシュ系なの?
それもありますが、リラックス効果も高いですので、安眠のお供にも良いです。以下で詳しくみていきましょう
スイートオレンジってどんな精油?
どんな香り?
柑橘系の、甘くリフレッシュさせる香り
どんな植物?
地中海地方やアメリカのイメージが強いオレンジですが、原産地はインドや中国などのアジア南東部です。16世紀ごろにヨーロッパに導入され、食用として高い人気を博しました。
高さ10メートルにもなる常緑高木で、果実(果皮)からはオレンジ油が、葉からはプチグレン油が、花からはネロリ油が得られます。オレンジ油にはスイートオレンジ(Citrus Sinensis)とビターオレンジ(Citrus aurantium)の2種類がありますが、アロマテラピーではスイートオレンジが一般的です。
英語の「orange」はサンスクリット語の「naranga」に由来しており、「芳香のある果実」という意味があります。オレンジはアラブやヨーロッパ社会では富の象徴ともされ、かつて貴族たちの間でオレンジ栽培を行うことが流行しました。今ではオレンジの木は地中海地方やイスラエル、アメリカやブラジルなど世界各地で栽培されています。
エピソードや歴史、豆知識など
16世紀ごろから、ヨーロッパではクリスマスの魔除けとしてオレンジにクローブを刺して、シナモンやナツメグなどのスパイスをまぶしたオレンジポマンダーを作る風習があります。
スイートオレンジ精油のプロフィール
エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)
英名 | スイートオレンジ |
---|---|
和名 | アマダイダイ |
学名 | Citrus sinensis |
科名 | ミカン科 |
抽出部位 | 果皮 |
抽出方法 | 圧搾法 |
主な産地 | アメリカ、イタリア、スペイン、ブラジル |
主な成分 | D-リモネン(70.15%)、ツジェン(10.52%)、ミルセン(5.54%)、γ-テルピネン(3.35%)、α-ピネン(2.81%)、リナロール(2.07%)など |
主な効能、効果 | 消化促進、食欲増進、健胃、鎮静、鎮痛、抗菌、抗ウイルス、抗うつ、室内浄化、精神高揚 |
香りの系統 | 柑橘系 |
香りのノート | トップノート |
スイートオレンジ精油の主な成分と作用
D-リモネン
D-リモネンはスイートオレンジ精油の中心となる成分で、爽やかで明るい柑橘の香りが特徴です。この成分にはリフレッシュ効果があり、心を軽くして気分を明るくする手助けをしてくれます。また、抗酸化作用があるため、肌を健やかに保つのにも役立ちます。抗菌作用や消化を促進する作用もあり、日常の健康維持をサポートしてくれます。
ツジェン
ツジェンはほのかに木を感じさせる香りを持ち、抗炎症作用があります。この作用は肌のトラブルを和らげたり、筋肉の緊張をほぐすのに役立ちます。また、穏やかな香りが気持ちを落ち着かせてくれ、ストレスやイライラの軽減が期待できます。
ミルセン
ミルセンはスイートオレンジの香りにスパイシーなニュアンスを与える成分です。鎮痛作用があることから、頭痛や筋肉のこわばりを和らげる助けになると言われています。また、リラックス効果があるため、疲れた心と体をいたわりたいときにピッタリです。
γ-テルピネン
γ-テルピネンは、優れた抗酸化作用をもつ成分で、肌を外部のダメージから守る手助けをしてくれます。免疫機能をサポートする働きもあり、体を内側から元気にするのにも役立ちます。柑橘の香りで、明るく前向きな気分をもたらしてくれるのも、この成分の魅力のひとつです。
α-ピネン
α-ピネンは森林を思わせる爽やかな香りが特徴の成分です。この香りは気道をすっきりさせ、呼吸器系の働きをサポートしてくれます。また、集中力を高める作用もあるため、気分転換や作業に集中したいときにも役立ちます。
リナロール
リナロールは、やわらかで優しい香りを持つ成分で、リラックス効果が高いことで知られています。緊張やストレスを和らげて、心を落ち着ける作用があります。また、肌に優しいため、スキンケアにも利用される成分です。
スイートオレンジの効能や効果
こころに対する効能
- 落ち込んだ心を明るくし、元気を取り戻させる
- ストレスを解消し、前向きな気持ちに切り替える
- 不安や緊張を鎮め、安眠を促す
からだに対する効能
- 胃腸の働きを助け、消化不良や食欲不振、下痢などの不調を改善する
- 体温を下げ、気管支炎や発熱の症状をやわらげる
肌に対する効能
- 疲れた肌を元気によみがえらせる
- 皮膚炎の症状をやわらげる
専門家からのアドバイス(注意点なども)
元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言
リフレッシュのイメージが強いスイートオレンジですが、リラックスの効果もありますので、安眠のためには特におすすめしたい精油のひとつです。香りが良いので、使いやすいと思います。
入浴のときにオレンジの精油を使うときには注意が必要です。オレンジは皮膚刺激があるため、アロマバスで使うとピリピリとした刺激や痛みを感じることがあります。そのような場合は、お風呂での使用はできるだけ控えるようにしてください。
マッサージで使用する際にも、この皮膚刺激には特に注意してください。合わないと思ったときは、すぐに使用を中止しましょう。
ちなみに、柑橘系の精油は酸化が早いため、開封後は半年以内に使い切る事を心がけましょう。
数年経って香りが悪くなってしまった精油にも、使いみちはあります。おすすめは「掃除」に使う方法です。重曹にオレンジの精油を染み込ませ、それをキッチンのシンクやトイレなどに振りかけてこすれば、びっくりするくらい汚れが落ちます。ぜひおためしください。
アロマセラピストコラム(体験談やおすすめの楽しみ方)
アロマセラピストの知人に、体験談やおすすめの楽しみ方、レシピなどを聞きました
初めてアロマテラピーをはじめる人にとって、一番親しみのある精油が、このスイートオレンジではないでしょうか。ラベンダーやローズマリーといった有名な香りが苦手な人も意外と多いものですが、そんな人たちのアイドル的精油がこのオレンジ。誰にでも愛される香りなのです。
特別なことをしなくても、ティッシュに1滴この精油を落とすだけで、手で皮をむくように簡単に感じられるオレンジの香り。その香りを感じるだけで立派な「アロマテラピー」です。そんな、忘れがちなアロマの基本を教えてくれるのがこのオレンジなのです。
ビタミンCなどの栄養をたっぷり含んだオレンジは、人のこころにも栄養を与えてくれます。この香りを体験した人で、いやな表情を見せる人はまず見たことがありません。人を太陽のような笑顔にすることができる、とてもあたたかみのある精油です。
リラックスとリフレッシュの両方に利用でき、他の精油とも仲良くできる香りなので、いろいろなブレンドに応用できます。子供の頃、学校でとても人気者だった子はいませんでしたか? 明るくて、元気で、活発で、やさしくて、かわいらしい子。ちょっとおちゃめで、おっちょこちょい。オレンジはそんなイメージの精油です。
ストレスの多い人は、特にこの精油の力を借りるといいですね。オレンジの香りでいつも笑顔でいれば、いつの間にか悩みもどこかへ行ってしまうことでしょう。
スイートオレンジのおすすめの使い方
ぐっすり眠りたい夜に、不眠に
ティッシュペーパーにスイートオレンジとラベンダーの精油を1、2滴ずつ落とし、枕元に置きます。忘れたころにふわっと香る程度がちょうどいい量です。アロマライトなどで寝室に香りを広げるのも良いでしょう。プチグレンやネロリ、フランキンセンスとのブレンドもおすすめです。
気分を明るくしたいときに、リフレッシュに
アロマポットやアロマライトなどにスイートオレンジの精油を数滴落とし、お部屋に香りを広げます。オレンジのフレッシュで甘い香りが気持ちを明るく元気にしてくれます。グレープフルーツやレモンなどの柑橘系の精油をブレンドしても良いでしょう。
スイートオレンジと相性の良い精油
サイプレス、シナモン、ジャスミン、 ジュニパー、ゼラニウム、フランキンセンス、ネロリ、ローズ、プチグレン、ラベンダー、ローズウッド
いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!