ネロリの効能を徹底解説!リラックスと美肌を叶える優雅な精油

ネロリ精油
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ネロリはフローラル系の香りね。なんとなく上品で、優雅な感じ

そうですね。かつて社交界の貴婦人たちのあいだで流行ったそうですが、確かにそんな雰囲気はありますよね

リラックス作用も強いのよね

はい。特に安眠にはおすすめです。お肌のケアにも役立ってくれます。以下で詳しくみていきましょう

目次

ネロリってどんな精油?

ネロリ

どんな香り?

優雅なフローラルの香り

どんな植物?

ネロリはビターオレンジの花から抽出される精油。ビターオレンジはインドのアッサム地方などのアジア南東部が原産で、春から初夏にかけて香りの良い白い花をつけます。フランスやモロッコ、チュニジア、イタリアなどで主に生産されています。

ビターオレンジの花は、長いあいだ「純潔」を象徴するものとされてきました。結婚式の際の、髪飾りに使われてきたのもそんな意味があるためです。

エピソードや歴史、豆知識など

ネロリの名は、 17世紀末、イタリアのネロラ公妃マリー・アンヌがこの花からとれた精油で革手袋に香りをつけたことに由来しています。その香りは社交界でも大変話題になり、彼女の名にちなんでネロリと呼ばれるようになったそうです。美しいネロリの香りは、古くから化粧品やオーデコロンの成分として用いられてきました。コルセットの紐をきつく締めた貴婦人たちが、気分を和らげるためにこの香りをよく嗅いでいました。

ビターオレンジの花には少量の油分しか含まれていないため、この精油を抽出するためには大量の花が必要になります。そのためネロリはとても貴重で、アロマテラピーの中でも最も高価な精油の1つです。

ネロリの精油を抽出する際に同時にとれる蒸留水はオレンジフラワーウォーター(ネロリウォーター)といわれ、化粧水やオーデコロンの成分などにも使用されます。

ネロリ精油のプロフィール

ネロリ

エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)

英名ビターオレンジ
和名ダイダイ
学名Citrus aurantium
科名ミカン科
抽出部位
抽出方法水蒸気蒸留法
主な産地フランス、モロッコ、チュニジア、イタリア
主な成分リナロール(29.14%)、β-ピネン(19.08%)、リモネン(12.04%)、トランス-β-オシメン(6.06%)、(E)-ファルネソール(5.14%)、α-テルピネオール(4.56%)など
主な効能、効果強心、強壮、抗うつ、催淫、鎮痙、鎮静、細胞促進、皮膚軟化、消臭、殺菌
香りの系統フローラル系
香りのノートミドルノート

ネロリ精油の主な成分と作用

ネロリ精油の成分分析表
データ引用元:
Volatile Constituents and Antioxidant Activity of Peel, Flowers and Leaf Oils of Citrus aurantium L. Growing in Greece

リナロール

リナロールは、ネロリ精油やラベンダー精油に多く含まれる成分で、心身をリラックスさせる働きがよく知られています。穏やかな香りが緊張やストレスをやわらげ、不安な気持ちを取り除いてくれます。また、鎮静作用が高く、心地よい眠りをサポートしてくれます。

β-ピネン

β-ピネンは、森林を思わせるような清涼感のある香りが特徴で、気持ちをリフレッシュさせる効果があります。この成分は、集中力を高めたり、心を前向きにしてくれると言われており、気分転換をしたいときにピッタリです。抗炎症作用があるため、肌や身体の不快感を軽減する効果も期待できます。

リモネン

リモネンは柑橘系の香りを特徴とする成分です。疲れた心を元気づけ、前向きな気持ちを引き出すサポートをしてくれます。また、抗菌作用を持つため、お部屋の空気を浄化したいときや清潔感を保ちたいときにも役立ちます。

トランス-β-オシメン

トランス-β-オシメンは、軽やかでフローラルな香りが特徴です。ネロリ精油の中では、特に抗炎症や抗菌作用が知られており、肌荒れやトラブルのケアにも向いています。また、この成分にはリラックス効果もあり、疲れた心をやさしくいたわる働きが期待されています。

(E)-ファルネソール

(E)-ファルネソールはネロリ精油に含まれる特徴的な成分のひとつで、抗菌や消臭の作用が強いことが知られています。皮膚の状態を整え、肌のバランスをとる働きがあるため、スキンケアに向いています。柔らかなその香りは、心を穏やかにする作用も持ち合わせています。

α-テルピネオール

α-テルピネオールは、ほのかに甘い香りが心地よい成分です。ストレスで張り詰めた心をやさしくほぐし、穏やかな気持ちに導いてくれます。また、抗菌作用があるため、空間を清潔に保つアロマとしてもよく利用されています。

ネロリの効能や効果

ネロリ精油

こころに対する効能

抗うつ作用、鎮静作用

  • 不安や緊張をほぐし、気持ちを落ち着ける
  • 交感神経を落ち着け、安眠を促す

からだに対する効能

強心作用、強壮作用、駆風作用、催淫作用、消化促進作用、鎮痙作用、鎮静作用、デオドラント作用

  • 腸に対して鎮静効果を発揮し、下痢の症状をやわらげる
  • ホルモンバランスを整え、月経や更年期の症状をやわらげる

肌に対する効能

細胞成長促進作用、殺菌作用、消毒作用、皮膚軟化作用

  • 皮膚細胞の成長を促進し、肌のハリ、弾力性を改善する
  • にきびや吹き出物など、肌トラブルを改善する
  • 乾燥肌や敏感肌、老化肌など、すべての肌質に有効

専門家からのアドバイス(注意点なども)

ネロリ

元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言

リラックスやスキンケアの点でも大変ありがたみのあるネロリですが、非常に高価でなかなか手が出せないというのが悩ましいところです。2~3mlという少ない量で8,000円を超えてしまうメーカーも多くあります。

最近はホホバオイルで希釈した「3%希釈バージョン」などもありますので、まずはそういったもので香りを試してみるのも良いでしょう 。希釈されていても香りはしっかりと感じられます。

リラックスの精油として有名なネロリは、一方で、催淫作用も高く、ロマンティックな気分にさせてくれる香りでもあります。イランイランの香りが苦手な方は、ネロリの優雅で美しい香りを試してみるといいかもしれません。

リラックスさせる作用が強いため、運転など集中力が必要なときには、ネロリの香りは避けたほうが良いでしょう。

アロマセラピストコラム(体験談やおすすめの楽しみ方)

アロマセラピストの知人に、体験談やおすすめの楽しみ方、レシピなどを聞きました

あまりなじみのない香りのせいか、アロマテラピーをはじめたばかりの人にこの精油を紹介すると、「好きでも嫌いでもない」という表現をされることがあります。

自己主張の強い、インパクトのある香りではありませんが、とても清楚で落ち着いた、印象に残る香りです。強いストレスを感じるとき、気持ちが落ち着かないとき、夜なかなか眠れないときなどには、この精油の香りはおすすめです。優しく、人の気持ちの分かる香りだと言えるでしょう。

ネロリの見逃せない利用法が、スキンケアへの応用です。

以前、毎日熱いお湯を用意してネロリを使ったフェイシャルスチーム、ネロリ入りのローション、さらにはネロリを使ったマッサージオイルで夜に簡単なトリートメント、という、ネロリづくしのケアに励んだことがありました。がんばった成果なのか、お肌の調子がすごく良くなったことを覚えています。

フローラルウォーター(ネロリウォーター)でも十分に肌質の変化を実感できると思いますので、特にお肌が乾燥しがちな方は、ぜひためしてみて下さい!

ネロリのおすすめの使い方

ぐっすり眠りたい夜に

お風呂に数滴のネロリを落とし、よくかき混ぜてゆっくりとつかります。首や肩を軽くさすったり、手足を軽く揉んだりするとよいでしょう。オレンジやプチグレン、ラベンダーとのブレンドもオススメです。ティッシュに精油を2、3滴垂らし、枕元に置くのも効果的です。

お肌のお手入れに

洗面器に熱いお湯を張り、ネロリの精油を1滴を落として、立ち上る蒸気を5分ほどお肌に当てます。この際、バスタオルなどで頭の上から覆うと、蒸気が逃げにくくなるため効果的です。

ネロリウォーター(オレンジフラワーウォーター)は化粧水として使用できます。コットンや手で顔にパッティングしましょう。

お肌がカサカサする季節に

冬場などお肌の乾燥が気になる季節には、ネロリを使ったマッサージがおすすめです。ホホバオイルなどのキャリアオイルにネロリ精油きをブレンドし、やさしくマッサージしてみましょう。ラベンダーフランキンセンスなどをブレンドしても良いでしょう。

ネロリと相性の良い精油

エッセンシャルオイル

ベンゾインイランイランスイートオレンジサンダルウッドジャスミンゼラニウムローズ、パルマローザ、プチグレン、ベルガモット、ライム、ラベンダーローズマリー

いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!

著者プロフィール
元AEAJアロマテラピーインストラクター。エッセンシャルオイルの貿易実務に20年以上たずさわってきました。海外のアロマの文献などもチェックしています。

参考文献:
「アロマテラピーのための84の精油」ワンダ・セラー著 フレグランスジャーナル社
「精油の安全性ガイド(上巻、下巻)」ロバート・ティスランド著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー事典」パトリシア・デービス著 フレグランスジャーナル社
「エッセンシャルオイル総覧2007」三上杏平著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー検定テキスト(1級、2級)」鳥居鎮夫監修 社団法人日本アロマ環境協会
「アロマテラピーの事典」林真一郎著 東京堂出版
「キャリアオイル事典」レン・プライス著 東京堂出版
「アロマテラピー図鑑」佐々木薫監修 主婦の友社
「女性によく効くアロマセラピー」鮫島浩二著 主婦の友社
「アロマテラピーの事典」篠原直子著 成美堂出版
「はじめてのアロマテラピー」佐々木薫監修 池田書店
「はじめる、楽しむ アロマテラピー」石原裕子監修 永岡書店
「アロマテラピーバイブル」塩屋紹子監修 成美堂出版

アロマテラピーは、病気の治療を目的とした医療行為ではありません。また、当サイトの情報は、精油の医学的な効能、効果を保証するものでもありません。精油を使用する際には、製品についての注意事項をよく読み、自己責任の下、正しくお使い下さい。妊娠中の方、病気のある方、健康状態のすぐれない方は、必ず事前に医師にご相談下さい。 なお、一般的な呼称に合わせて、エッセンシャルオイル(精油)をアロマオイルと表記する場合もあります。

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