ラベンダーの効能を徹底解説!リラックスや安眠、美肌ケアに効く万能精油の魅力

ラベンダー精油
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ラベンダーは不思議な香りね。フローラルなんだけど、華やかというよりは落ち着いてる感じ

そうですね。最初からこれが好き!っていう感じでもなくて、だんだんと好きになっていく、という人が多いかもしれません

やっぱり、リラックスとか安眠に使う人が多いの?

もちろん、それが一番ですが、ラベンダーは本当にたくさんの効能があって、活躍する場面が多いです。「万能の精油」なんて呼ばれ方もしますね。以下で詳しくみていきましょう

目次

ラベンダーってどんな精油?

ラベンダー

どんな香り?

フローラルな中にも少しウッディーなノートを含んだ、柔らかで落ち着いた香り

どんな植物?

ラベンダーは地中海地方やヨーロッパなどに広く生育する多年草のハーブ。 30センチから1メートルほどの背丈にまで成長し、紫色やブルーの花を咲かせます。水はけの良い、痩せた石灰室の山岳地帯によく見られ、標高の高い地域で育ったものほど香りが良いと言われます。

フランスのプロヴァンスやブルガリア、オーストラリアなどが産地として有名ですが、日本でも広く栽培されています。日本では北海道の富良野が有名です。降水量が少なく、夏暑く、冬寒い標高の高い厳しい環境が、強く香りの高いラベンダーを育てます。

エピソードや歴史、豆知識など

ラベンダーの学名は、ラテン語の「Lavo(洗う)」や「Lividus(青みがかった鉛色)」に由来していると言われます。古代のローマ人はラベンダーを浴槽に入れて沐浴し、傷ついた体を洗い流したそうです。ラベンダーのサシェを衣類を収納する引き出しに入れて、虫除けに使うことなども古くから行われてきました。

香水としても人気が高く、イギリス国王チャールズ1世の妻マリアヘンリエッタ妃はラベンダーの香水を大変気に入っていました。イギリスではノーフォーク地方がラベンダーの産地として有名です。

ラベンダー精油のプロフィール

ラベンダー

エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)

英名Lavender ラベンダー
和名ラベンダー
学名Lavandula angustifolia
Lavandula officinalis
科名シソ科
抽出部位葉と花
抽出方法水蒸気蒸留法
主な産地フランス、ブルガリア、オーストラリア
主な成分酢酸リナリル(32.8%)、リナロール(28.8%)、酢酸ラバンデュロール(5.5%)、カリオフィレン(4.22%)、テルピネン-4-オール(3.87%)、トランス-β-オシメン(3.29%)など
主な効能、効果強心、血圧降下、健康回復、抗ウイルス、抗うつ、抗痙攣、抗炎症、鎮静、鎮痛、瘢痕形成、殺菌
香りの系統フローラル系
香りのノートミドルノート

ラベンダー精油の主な成分と作用

ラベンダー精油の成分分析表
データ引用元:
Content and Enantiomeric Composition of 1-Octen-3-yl Acetate in Lavender Essential Oils

酢酸リナリル(32.8%)

酢酸リナリルはラベンダー精油の中心的な成分で、特にリラックス効果が高いことで知られています。心を穏やかにする働きがあり、ストレスや不安を和らげる手助けをしてくれます。また、筋肉のこりを和らげ、深いリラクゼーションを促すため、マッサージにも効果的です。

リナロール(28.8%)

リナロールは肌の炎症を鎮める作用や抗菌作用を持つ成分です。傷の治りを早めたり、肌を清潔に保つ効果が期待できます。また、リラックス効果も高く、眠りの質を向上させたい方や、ストレスを感じやすい方にピッタリです。

酢酸ラバンデュロール(5.5%)

酢酸ラバンデュロールは穏やかな鎮静作用を持つ成分で、気持ちを落ち着かせるのに役立ちます。乾燥肌や脂性肌などのバランスを整える働きがあり、スキンケアにも有効です。柔らかな香りで、安らぎと安心感を与えてくれます。

カリオフィレン(4.22%)

カリオフィレンは抗炎症作用が注目される成分です。筋肉痛や関節の痛みを和らげる効果が期待でき、疲れたときや運動後の体のケアに役立ちます。また、免疫機能を高める働きもあり、毎日の健康をサポートしてくれます。

テルピネン-4-オール(3.87%)

テルピネン-4-オールは、抗菌・抗ウイルス作用が強い成分で、感染症の予防や傷のケアに効果的です。肌や粘膜を守る働きがあり、自然治癒力をサポートします。爽やかな香りは、心身をリフレッシュさせる効果もあります。

トランス-β-オシメン(3.29%)

トランス-β-オシメンは、抗酸化作用を持つ成分で、肌や体を外部のダメージから守る役割を果たします。軽やかでフレッシュな香りが特徴で、気分を明るくする効果もあります。疲れを感じたとき、活力を取り戻すのに効果があります。

ラベンダーの効能や効果

ラベンダー精油

こころに対する効能

鎮静作用、抗うつ作用

  • イライラや怒りを鎮め、心を落ち着ける
  • 不安やストレス、緊張をやわらげ、安眠を促す
  • 心の疲れを取り、うつうつとした状態を改善する

からだに対する効能

強心作用、強脾作用、駆風作用、血圧降下作用、解毒作用、健康回復作用、抗ウイルス作用、抗痙攣作用、抗神経障害作用、抗リウマチ作用、消炎作用、胆汁分泌促進作用、鎮痙作用、鎮痛作用、通経作用、デオドラント作用、発汗作用、鼻粘液排出作用、分娩促進作用、利尿作用

  • 心拍を下げ、血圧を低下させ、スムーズな入眠を促す
  • 筋肉痛や捻挫、リウマチの痛みをやわらげる
  • 呼吸器系に働き、気管支炎やぜんそく、せきを改善する
  • ホルモンバランスを整え、月経のつらさをやわらげる

肌に対する効能

細胞成長促進作用、殺菌作用、殺真菌作用、消炎作用、消毒作用、瘢痕形成作用、癒傷作用

  • 皮脂の分泌のバランスをとり、新しい細胞の成長を促す
  • やけどや日焼け、にきび、湿疹、虫刺されなどの肌トラブルを改善する
  • あらゆる肌質に有効

専門家からのアドバイス(注意点なども)

ラベンダー

元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言

ラベンダーといえばアロマテラピーではもっとも人気の高い精油のひとつですが、最初からこの香りが大好きという人は、実はあまり多くないのではないでしょうか。むしろ使い続けているうちにだんだんとこの香りが好きになってくる、という人が多いように思います。

ですので、最初にラベンダーの香りを嗅いで「そんなに好みではないなぁ」と思って使わなくなってしまった人も、ときどきでもいいので使ってみてください。香りの好みが変わるというのは、アロマテラピーでは多くの人が経験することです。

寝付きが悪い方、不眠症の方に、ラベンダーは特におすすめします。

ラベンダー精油に含まれる酢酸リナリルは、精神の安定に欠かせないセロトニンを誘発することが知られています。ラベンダーの香りは副交感神経を優位にし、心拍をおさえ、血圧を低下させます。そして、穏やかな入眠の手助けをしてくれます。

ちなみに、ラベンダーは原液をお肌につけることのできる、数少ない精油のひとつです。にきびや虫刺されなどには、綿棒を使って原液をつけても良いでしょう。ただ、お肌の弱い方には、あまりおすすめはできません。事前に腕の内側などでテスト(パッチテスト)をしてください。

「万能の精油」とも言われるラベンダー。想像以上に多くの場面で活躍してくれるので、とりあえず持っておきたい精油のひとつですね。

アロマセラピストコラム(体験談やおすすめの楽しみ方)

アロマセラピストの知人に、体験談やおすすめの楽しみ方、レシピなどを聞きました

ラベンダーのキーワードは「リラックス」。ストレスでかさついた心や、イライラした気持ちを落ち着けることに優れた精油です。

同時に、スキンケアにもよく利用される精油の一つ。私の場合は手作りローションを使っていますが、お肌の調子も良くなり、なおかつラベンダーの香りで毎日のストレスも忘れることができるという、一石二鳥を味わえます。

「眠れない夜にラベンダー」という話は、アロマテラピーの世界ではかなり有名です。ティッシュに2~3滴含ませて、枕元に置いたりすると良いでしょう。

もちろん、人によって心地よいと感じる香りは異なりますので、ラベンダーがお好きではない方は、ご自身がもっとも心地よいと感じる香りをおためしください。スイートオレンジベルガモットローズネロリカモミール・ローマンなどもおすすめです。

個人的にラベンダーに感謝するのは、季節の変わり目など。ラベンダーをキャリアオイルで薄めて1%濃度のトリートメントオイルを作り、背中と二の腕をトリートメントしてすぐ寝ると、わたしの場合、からだが軽くなる感じがするのです。

いろいろなシーンで活躍する精油だけに、ある意味、一番使い方に悩まされる贅沢な精油かもしれません。

ラベンダーのおすすめの使い方

ぐっすり眠りたい夜に

寝る数時間前のアロマバスが効果的です。お風呂に数滴のラベンダーを落とし、よくかき混ぜてゆっくりとつかります。首や肩を軽くさすったり、手足を軽く揉んだりするとよいでしょう。ベルガモットネロリイランイランマージョラムとのブレンドもオススメです。

寝室ではアロマライトなどで穏やかに香りをひろげてみましょう。ティッシュに精油を2、3滴垂らし、枕元に置くのも効果的です。

イライラしているとき、気分が落ち着かないとき

外出先でイライラしたり、気持ちが落ち着かないときは、ティッシュやハンカチにラベンダーを1、2滴たらして、ゆっくりと吸い込んでみましょう。マスクに1滴たらすのも効果的です。自宅にいるときには、アロマポットやアロマライトでお部屋に香りを広げてみましょう。

肩こりや頭痛がひどいとき

肩こりや頭痛にお悩みの方は、ホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどのキャリアオイルにラベンダーの精油をブレンドし、こめかみから首、肩にかけてマッサージしてみましょう。クラリセージゼラニウムマージョラムとのブレンドもお勧めです。

かぜの季節に

かぜの季節には、室内に香りを広げる芳香浴がおすすめです。ティーツリーとのブレンドも良いでしょう。 なんとなく調子がすぐれないときは、キャリアオイルにラベンダーの精油をブレンドし、胸や背中をマッサージしてみましょう。ユーカリティーツリーフランキンセンスとのブレンドもおすすめです。

乾燥肌、トラブル肌に

冬場などお肌の乾燥が気になる季節には、ラベンダーを使ったマッサージがおすすめです。ホホバオイルなどのキャリアオイルにラベンダーをブレンドし、やさしくお肌をマッサージしましょう。カモミールローズネロリとのブレンドもおすすめです。にきびや湿疹、日焼けなどにも、効果を発揮します。

毛穴のおそうじに

カオリンなどのクレイ(大さじ1杯)に、精製水(大さじ1杯)を加え、ラベンダー精油を1滴加えてペースト状になるまで練り合わせます。お肌の気になる部分に5分ほどパックし、ぬるま湯で洗い流します。

ラベンダーと相性の良い精油

エッセンシャルオイル

スイートオレンジカモミールクラリセージ、シトロネラ、ジャスミンゼラニウム、タイム、パチュリベルガモット、マンダリン、レモンローズマリー

いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!

著者プロフィール
元AEAJアロマテラピーインストラクター。エッセンシャルオイルの貿易実務に20年以上たずさわってきました。海外のアロマの文献などもチェックしています。

参考文献:
「アロマテラピーのための84の精油」ワンダ・セラー著 フレグランスジャーナル社
「精油の安全性ガイド(上巻、下巻)」ロバート・ティスランド著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー事典」パトリシア・デービス著 フレグランスジャーナル社
「エッセンシャルオイル総覧2007」三上杏平著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー検定テキスト(1級、2級)」鳥居鎮夫監修 社団法人日本アロマ環境協会
「アロマテラピーの事典」林真一郎著 東京堂出版
「キャリアオイル事典」レン・プライス著 東京堂出版
「アロマテラピー図鑑」佐々木薫監修 主婦の友社
「女性によく効くアロマセラピー」鮫島浩二著 主婦の友社
「アロマテラピーの事典」篠原直子著 成美堂出版
「はじめてのアロマテラピー」佐々木薫監修 池田書店
「はじめる、楽しむ アロマテラピー」石原裕子監修 永岡書店
「アロマテラピーバイブル」塩屋紹子監修 成美堂出版

アロマテラピーは、病気の治療を目的とした医療行為ではありません。また、当サイトの情報は、精油の医学的な効能、効果を保証するものでもありません。精油を使用する際には、製品についての注意事項をよく読み、自己責任の下、正しくお使い下さい。妊娠中の方、病気のある方、健康状態のすぐれない方は、必ず事前に医師にご相談下さい。 なお、一般的な呼称に合わせて、エッセンシャルオイル(精油)をアロマオイルと表記する場合もあります。

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