ジュニパーはスッキリした香りね。森林浴のイメージ
そうですね。針葉樹なんですが、精油は果実(ベリー)から採りますので、「ジュニパーベリー」なんて呼び方もします
マッサージにいいって聞いたけど?
はい。ジュニパーにはすぐれたデトックスの効能があるんです。以下で詳しくみていきましょう
ジュニパーってどんな精油?
どんな香り?
森林をイメージさせるような、ウッディーでリフレッシュさせる香り
どんな植物?
ジュニパーは主に北半球の乾燥した丘陵地帯に育つ常緑の針葉樹です。葉は細くとがっており、木は数メートルの高さにまで成長します。直径5ミリくらいの小さなやわらかい実をつけ、2、3年で黒い色に熟します。この果実はジュニパーベリーと呼ばれ、お酒の「 ジン」の香り付けに使われることで有名です。精油はこの果実を蒸留することで得られます。
イタリアやハンガリー、フランス、チェコ、スロバキア、カナダなどが産地として有名です。寒く乾燥した土地でも容易に育つ強さを持った植物で、日本ではセイヨウネズの名で知られます。
エピソードや歴史、豆知識など
浄化する力の強いジュニパーは、古くから伝染病の予防に大きな役割を果たしてきました。フランスの病院では、長い間、ローズマリーやジュニパーの小枝を炊いて病院の空気の浄化をしていました。
ジュニパー精油のプロフィール
エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)
英名 | Juniper ジュニパー |
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和名 | セイヨウネズ |
学名 | Juniperus communis |
科名 | ヒノキ科 |
抽出部位 | 果実 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主な産地 | イタリア、ハンガリー、フランス、チェコ、スロバキア |
主な成分 | α-ピネン(33.24%)、β-ミルセン(11.75%)、β-ピネン(8.22%)、リモネン(4.17%)、ゲルマクレンD(3.95%)、デルタ-カジネン(3.75%)など |
主な効能、効果 | 引赤、強壮、駆風、解毒、健胃、抗神経障害、抗リウマチ、催淫、殺菌、殺虫、殺微生物、刺激、収れん、浄血、鎮痙、通経、発汗、瘢痕形成、分娩促進、癒傷、利尿 |
香りの系統 | 樹木系 |
香りのノート | ミドルノート |
ジュニパー精油の主な成分と作用
α-ピネン(33.24%)
α-ピネンはジュニパー精油の主要成分で、爽やかな森を思わせる香りが特徴です。この成分には抗炎症や抗菌の作用があり、特に呼吸器系のトラブルを和らげてくれます。また、心を落ち着けながら、集中力を高める効果もあるため、日々のストレスや疲れた気分をリセットしたいときに役立ちます。森林浴をしているようなリフレッシュした感覚を味わえる成分です。
β-ミルセン(11.75%)
β-ミルセンは、やや甘さのあるスパイシーな香りが特徴です。心を落ち着けてリラックスさせる働きがあり、不安を和らげるのに役立ちます。また、緊張をほぐして深いリラクゼーションを促すことから、快適な睡眠をサポートする効果も期待できます。
β-ピネン(8.22%)
β-ピネンは、α-ピネンとともにジュニパー精油のさわやかな森林の香りを作り出す成分です。この成分は、抗菌や抗ウイルス作用に優れ、体の免疫機能をサポートします。また、気分を明るくし、集中力を高める働きがあるため、疲れたときやストレスが溜まっているときにおすすめです。
リモネン(4.17%)
リモネンは、柑橘系の香りを思わせるさっぱりとした香りを持つ成分です。消化を助けたり、老廃物の排出を促すデトックス効果が期待できます。また、心を明るくしてくれる効果があるため、落ち込んだ気分をリフレッシュしたいときに有効です。
ゲルマクレンD(3.95%)
ゲルマクレンDは、ウッディでどこか土を思わせる香りを持っています。この成分には、筋肉の緊張や不快感を和らげる鎮痛作用や抗炎症作用があり、体をリラックスさせる効果にすぐれています。また、深みのある香りは心にも安らぎを与え、ゆったりとした時間を過ごしたいときにピッタリです。
デルタ-カジネン(3.75%)
デルタ-カジネンは、わずかにスパイシーさを含む甘い香りが特徴です。この成分には抗酸化作用や抗炎症作用があり、健康を守るサポートをしてくれます。心を静かに落ち着ける効果もあるため、不安や緊張を感じたときにも役立ちます。ジュニパー精油に奥行きと柔らかさを加え、香りを豊かにしている成分です。
ジュニパーの効能や効果
こころに対する効能
- 疲れた心を癒やし、頭をリフレッシュさせてくれる
- 心に活力を与え、チャレンジする気持ちを呼び起こす
からだに対する効能
- 体内の老廃物の排出を促し、利尿を促進する
- 関節炎、リウマチ、痛風、坐骨神経痛の痛みをやわらげる
- ホルモンバランスを整え、月経を正常化する
肌に対する効能
- 皮脂のバランスを整え、脂性肌や頭皮の脂漏症状を改善する
- 肌を浄化し、にきびや毛穴のつまり、炎症を改善する
専門家からのアドバイス(注意点なども)
元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言
ジュニパーは針葉樹の精油なので、枝や葉から抽出されると思いきや、実は果実(ベリー)から抽出されます。そのため、「ジュニパーベリー」と呼ばれることも多いです。
リフレッシュさせてくれるジュニパーは、バスソルトにも良く合います。塩は発汗を促進してくれますので、半身浴などで汗をしっかりかきたいときは、天然塩にジュニパーの精油をまぜてみるのも良いでしょう。森林浴のような心地よい香りを楽しみつつ、からだの中からスッキリするような気分が味わえます。
ちなみに、ジュニパーを長期にわたって使用すると、腎臓に負担がかかる可能性があるとも言われています。芳香浴くらいでしたら全く問題はありませんが、マッサージオイルを毎日のように使い続けるのは避けたほうが良いかもしれません。
なお、通経作用がありますので、妊娠中の方はマッサージやアロマバスに使用するのは控えたほうがよろしいでしょう。
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スッキリとした香りで、はじめての方にはあまり馴染みのない精油ですが、みなさんアロマに慣れてくればくるほど、なぜかこの精油を重宝するようになります。きっとこの精油の持つデトックス効果に魅力を感じているからでしょうね。
わたしのおすすめはジュニパーを使ったフットトリートメントです。むくみがちな足をジュニパーのオイルでトリートメントすることによって、とてもスッキリとした感覚を味わうことができます。トリートメント前に足浴をすると、さらに効果的です。ジュニパーだけではなく、ローズマリーやサイプレスなどとブレンドしても良いですね。
わたしの場合、もっとも頻繁に使う利用法はバスソルトです。岩塩に精油を数滴落とし、ざくざくかき混ぜてお風呂に入れます。ただそれだけなのですが、1日の疲れを流して次の日のための準備ができる状態になれるような気がします。
リラックスというよりはリフレッシュのイメージの強い香りなので、何かをするためにがんばろう!というときに使うことが多い精油ですね。
ジュニパーのおすすめの使い方
足がむくんでいるとき、パンパンなときに
立ち仕事などが続いて足がパンパンなときには、ジュニパーを使ったアロママッサージが効果的です。ホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどのキャリアオイルにジュニパーの精油を数滴ブレンドしてマッサージをします。この際、リンパの流れを意識して、体の先端部分から体の中心部分に向かってマッサージを行うと良いでしょう。
冷え性でお悩みのときに
冷えが気になる季節は、ジュニパーの精油を使って足湯をしてみましょう。洗面器やたらいなどに熱めのお湯を張り、ジュニパーの精油を1、2滴垂らします。しばらく足をつけていると、足だけでなく体全体が温まってきて、汗がにじみ出てきます。
ジュニパーを使って半身浴をするのも良い方法です。天然塩をプラスすると、より発汗を促進してくれます。
お部屋の空気の浄化に
アロマポットやアロマディフューザーにジュニパーの精油を数滴落とし、お部屋に香りを広げます。オレンジやレモンなどの柑橘系の精油をブレンドしても良いでしょう。
ルームフレッシュナーを作ってお部屋にスプレーするのも簡単で効果的です。ルームフレッシュナーなら出先でも香りが楽しめます。
集中したいときに
勉強や仕事を早く終わらせなければならないとき、集中力を高める必要があるときは、ジュニパーの香りが役に立ちます。陶器のアロマストーン(アロマプレート)にジュニパーの精油を数滴たらしてデスクの上やパソコン周りにおきます。ローズマリーやレモンの香りをブレンドしても良いでしょう。アロマライトなどの専用の芳香器具も役に立ちます。
ジュニパーと相性の良い精油
ベンゾイン、オレンジ、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、ゼラニウム、フランキンセンス、ベルガモット、メリッサ、ライム、レモングラス、ローズマリー
いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!