ジャスミンは芳香剤なんかで馴染みはあるけど・・・精油はかなり濃厚で、強い香りね
はい。甘いフローラルの香りで、女性的なイメージなんですが、精油はとてもパワフルに作用します
女性でパワフル、というと、肉食女子的な・・・?
いや・・・、催淫作用もありますが、リラックス作用も強いですよ。以下で詳しく見ていきましょう
ジャスミンってどんな精油?
どんな香り?
軽く陶酔させるような、甘くエキゾチックな花の香り
どんな植物?
成長すると2メートルから6メートルにも達する、インド原産のつる性の常緑低木。夏から秋にかけて、可愛らしい小さな白い花を咲かせます。
ジャスミンの精油はこの白い花から得られますが、花を摘みとるのは芳香が最も強くなる夜間から早朝にかけて行われます。収穫には非常に手間がかかるうえ、膨大な量の花も必要になります。
エピソードや歴史、豆知識など
かつてジャスミンの精油を抽出するためには、ガラスに牛脂を塗り、ジャスミンの花を1枚1枚貼り付けて香りを移しとるという、気の遠くなるような作業が行なわれてきました。現在では揮発性の有機溶剤を使って抽出する方法がとられています。そもそもジャスミンの花に含まれる精油の量は非常に少なく、大量の花の摘み取りが必要になるため、精油を抽出する作業が大変なことに変わりはありません。
ジャスミンのように花から有機溶剤抽出法で製造された精油を「アブソリュート」と呼びます。ジャスミンのほかにローズも同じ方法で抽出されます(ローズ・アブソリュート)。
ジャスミン精油のプロフィール
エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)
英名 | ジャスミン |
---|---|
和名 | ソケイ、オオバナソケイ |
学名 | Jasminum officinale |
科名 | モクセイ科 |
抽出部位 | 花 |
抽出方法 | 有機溶剤抽出法 |
主な産地 | エジプト、インド、フランス、モロッコ |
主な成分 | 安息香酸ベンジル (10.10%)、cis-ジャスモン (9.64%)、安息香酸-3-ヘキセニル (8.84%)、酢酸フェニルメチルエステル (9.0%)、リナロール (7.11%)、イソフィトール (6.39%)など |
主な効能、効果 | 抗うつ、催淫、催乳、子宮強壮、殺菌、鎮痙、鎮静、通経、皮膚軟化、分娩促進 |
香りの系統 | フローラル系 |
香りのノート | ミドルノート |
ジャスミン精油の主な成分と作用
安息香酸ベンジル (10.10%)
安息香酸ベンジルは、抗菌作用や防腐効果を持ち、肌トラブルの予防に役立つ成分です。また、気持ちを穏やかにする働きがあり、心を落ち着かせてリラックスさせてくれます。この香りはジャスミン精油の優雅さを引き立て、心地よい時間を演出します。
cis-ジャスモン (9.64%)
cis-ジャスモンは、ジャスミン特有の甘く芳醇な香りを生み出す成分です。この香りはストレスを和らげ、気持ちを前向きにしてくれます。また、心を開放し、優雅でロマンチックな気分を高める役割を果たしてくれます。
安息香酸-3-ヘキセニル (8.84%)
安息香酸-3-ヘキセニルは、フレッシュでグリーンな香りをもった成分で、香り全体に爽やかさを加えます。この成分は心と体に活力を与え、気持ちをリフレッシュさせてくれます。爽快感と心地よさとを同時に感じさせてくれる香りです。
酢酸フェニルメチルエステル (9.0%)
酢酸フェニルメチルエステルは、甘く華やかな香りを持つ成分で、ジャスミンのフローラルな芳香に深みを与えてくれます。この成分には心を落ち着かせると同時に活力を与える働きがあり、疲れた心を癒してくれます。香りの余韻が長く残るのも特徴です。
リナロール (7.11%)
リナロールは、柔らかなフローラルの香りを持つ成分で、リラックス効果が高いことで知られています。不安や緊張を和らげると同時に、心地よい眠りを誘うサポートもしてくれます。また、お肌を落ち着かせる効果も期待されます。
イソフィトール (6.39%)
イソフィトールは、穏やかな香りと保湿効果を持つ成分で、乾燥肌のケアに役立ちます。お肌をしっとりと柔らかく保つ働きがあり、敏感肌の方にもおすすめできます。健やかで美しい肌をサポートしてくれます。
ジャスミンの効能や効果
こころに対する効能
- 心を落ち着かせ、不安や緊張を和らげる
- 心にエネルギーを与え、失った自信を取り戻させる
からだに対する効能
- ホルモンバランスを整え、月経痛を和らげる
- 分娩に伴う苦痛を和らげ、分娩を促進し、母乳の出を良くする
肌に対する効能
- 肌に弾力を与え、妊娠線を目立たなくする
- 乾燥肌や敏感肌など、あらゆる肌質に有効
専門家からのアドバイス(注意点なども)
元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言
ジャスミンの香りは非常に濃厚です。イランイランと同じように、人によって好き嫌いが分かれる精油かもしれませんね。とても強く香るため、なるべく少ない量で使うことをおすすめします。量が多いと、頭痛や吐き気を引き起こす場合があります。
ジャスミンの精油は貴重で、アロマテラピーの中でも最も高価なものの1つです。なかなか手を出しにくい精油ですが、最近はホホバオイルで希釈した「ジャスミン3%」などのアロマオイルもありますので、まずはそういったもので香りを試してみるのも良いでしょう 。
通経作用があるので、妊娠中はお産が近づくまではジャスミンの使用は控えてください。出産間近の頃には、病院や助産院でジャスミンを使ったマッサージオイルでおなかをマッサージし、分娩を促すことがよくあります。使用の際には、医師や専門家の指導に従ってください。
また、リラックスさせる作用も強いので、車の運転など、集中力を必要とする場面では使用を控えてください。
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ジャスミンというと芳香剤などにもよく利用されていますが、実際の精油と芳香剤の香りはまったくの別物。本物の精油は、とてもパワフルで濃厚、エキゾチックで優雅な香りを持っています。
好き嫌いがはっきり分かれるのもジャスミンの特徴で、そういった意味ではイランイランと近い雰囲気を持っているかもしれません。
私の個人的な経験では、心が弱くなっているときなどはジャスミンの香りが心地よく感じられますが、物事が思うように進まなくてイライラしたりしているときなどは、ジャスミンの香りが逆に不快に感じることがあります。その日の気分や心理状態によって香りの感じ方が変わることはアロマテラピーではめずらしいことではありませんが、こんなときアロマの奥深さを身にしみて感じますね。
1滴で十分に強い香りを放ちますので、使用する際は量を少なめにするなどの気配りが必要です。これがジャスミンとつきあう上で1番重要なポイントですね。
ジャスミンのおすすめの使い方
自信を取り戻したいとき
不安や緊張で気持ちが揺らいでいる時、自分に自信が持てないときは、芳香浴でジャスミンの香りを楽しみましょう。アロマポットやアロマライトなどの芳香器具に、ジャスミン精油を1、2滴おとし、お部屋に香りを広げます。ローズやゼラニウムなどをブレンドしても良いでしょう。
ロマンティックな気分に浸りたいとき
ジャスミン精油を使ったエアーフレッシュナーを作って、お部屋にスプレーします。少量のエタノール(全体量の10%ほど)にジャスミンの精油を数滴まぜ、精製水を入れれば完成です。お部屋にシュッと一吹きするだけで、甘美なフローラルな香りに包まれます。
アロマディフューザーなどの器具を使って、お部屋に香りを広げても良いでしょう。強く香りますので精油は1滴からスタートしてください。
ジャスミンと相性の良い精油
スイートオレンジ、サンダルウッド、ゼラニウム、フランキンセンス、ネロリ、ローズ、パルマローザ、ベルガモット、マンダリン、メリッサ、ローズウッド
いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!