ゼラニウムはいい香りね。フローラルな感じで、リラックスできそう♪
そうですね。ローズの香りに近いですね。香水や石鹸にもよく使われています
スキンケアにもいいんでしょう?
はい。そのほかにも女性にはうれしい効能があります。以下で詳しく見ていきましょう
ゼラニウムってどんな精油?
どんな香り?
ローズのような雰囲気を持った、甘く重い香り
どんな植物?
60センチほどの高さにまで成長する、南アフリカ原産の常緑性の多年草。手のひらのような形の、ギザギザして先がとがった葉をつけ、小さな可愛らしい花を咲かせます。花はピンクや赤、むらさき、白など、実に多彩です。17世紀にヨーロッパに持ち込まれ、庭園植物として人気となりました。この植物には古くから魔除けの力があると考えられており、ヨーロッパでは生け垣や玄関前に好んで植えられきました。
ゼラニウムには200を超える種類があると言われていますが、精油は主にペラルゴニウム属(Pelargonium graveolens)の植物から抽出されます。フランスやレユニオン島、イタリア、エジプトなどが産地として有名です。日本では「ニオイテンジクアオイ」の名前で知られています。
エピソードや歴史、豆知識など
19世紀の初め、フランスのグラース地方などを中心に、大規模な生産が始まりました。ローズに似たゼラニウムの香りは、香水や石鹸などの香りづけとして広く利用されています。
ゼラニウムには傷を治す力があるとされており、第一次世界大戦では負傷兵の治療にも使われました。また、虫を寄せ付けない香りとしても知られており、虫除けにもひろく利用されています。
ゼラニウム精油のプロフィール
エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)
英名 | ゼラニウム |
---|---|
和名 | ニオイテンジクアオイ |
学名 | Pelargonium graveolens |
科名 | フウロソウ科 |
抽出部位 | 花と葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
主な産地 | フランス、スペイン、イタリア、レユニオン島、エジプト、中国 |
主な成分 | シトロネロール(29.13%)、ゲラニオール(12.62%)、ぎ酸シトロネリル(8.06%)、チグル酸ゲラニル(7.14%)、リナロール(4.52%)、メントン(4.21%)など |
主な効能、効果 | 強壮、血管収縮、血糖値低下、抗うつ、細胞成長促進、収れん、殺菌、鎮痛、消臭、癒傷 |
香りの系統 | フローラル系 |
香りのノート | ミドルノート |
ゼラニウム精油の主な成分と作用
シトロネロール(29.13%)
シトロネロールは、甘く優しいフローラルな香りが特徴で、気持ちを落ち着けたいときにピッタリの成分です。抗菌や抗炎症の作用があり、肌トラブルや赤みのケアにも適しています。また、虫除け効果があることから、夏場やアウトドアシーンで重宝されます。心地よい香りがストレスを和らげ、リラックスした時間を提供してくれます。
ゲラニオール(12.62%)
ゲラニオールは華やかで甘い香りを持ち、気分を明るく前向きにさせる力があります。抗酸化作用があるため、肌のエイジングケアにも役立ち、若々しい肌の維持をサポートします。また、ホルモンバランスを整える働きがあるため、女性特有の悩みである月経周期の乱れや更年期の不調にも心強い味方となります。
ぎ酸シトロネリル(8.06%)
ぎ酸シトロネリルは、肌に優しい抗炎症作用を持ち、赤みやかゆみを和らげる働きがあります。この成分は穏やかな鎮静効果を持ち、気持ちが高ぶっているときやストレスが溜まったときに、心を穏やかにサポートをしてくれます。さりげない香りが心をリフレッシュさせながら、リラックスしたひとときを与えてくれます。
チグル酸ゲラニル(7.14%)
チグル酸ゲラニルは、抗菌作用や防腐作用を持つ成分で、肌を清潔に保つのに役立ちます。また、香りの持続性を高める効果もあり、エッセンシャルオイル全体の香りを引き立てる役割を果たします。この成分には集中力を高める働きもあるため、作業や勉強のお供としてもおすすめです。
リナロール(4.52%)
リナロールは、優しく柔らかなフローラル系の香りが特徴で、リラックスしたいときにピッタリの成分です。抗菌作用や鎮静作用があるため、ストレスを感じるときや緊張を解きほぐしたいときに心強い味方となってくれます。お肌への刺激が少ないため、敏感肌のケアにも安心して使用できます。
メントン(4.21%)
メントンは爽やかな清涼感を持つ香りで、心身をシャキッとリフレッシュさせたいときに最適です。この成分には肌を引き締める作用があり、特に毛穴が気になる方におすすめできます。心地よい清涼感は、集中力を高めたり、気分転換をしたいときのサポートをしてくれます。
ゼラニウムの効能や効果
こころに対する効能
- 不安を鎮め、うつうつとした気分を明るくする
- ストレスをやわらげ、心のバランスを取り戻す
からだに対する効能
- ホルモンバランスを整え、月経時のつらい症状や月経前緊張症、更年期症状をやわらげる
- 体内の水分や毒素の排出を促し、むくみを改善する
肌に対する効能
- 皮脂の分泌のバランスを整える
- しっしんややけど、しもやけ、帯状疱疹などの肌トラブルを改善する
- 血流を促進し、肌色を良くする
- 乾燥肌から脂性肌まで、すべての肌質に有効
専門家からのアドバイス(注意点なども)
元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言
ローズに似た雰囲気を持つ香りはいくつかありますが、中でもゼラニウムがもっともローズに近いのではないでしょうか? 「ローズの精油がほしいけど、高すぎてなかなか手が出ない」という方には、真っ先におすすめしたい精油です。
女性的で優しい印象のゼラニウムは、その効能も女性にうれしいものばかり。リラックスに、スキンケアに、そしてお部屋の雰囲気作りに、あらゆるシーンで活躍してくれます。
虫よけにも有効な精油ですので、ユーカリ・シトリオドラやシトリオドラで虫除けスプレーを作るときに少しブレンドすると、フローラルの華やかな香りを追加することができます。
あらゆる肌質に有効な精油ですが、敏感なお肌を刺激する場合もありますので、なるべく少量からスタートし、使用量に気をつけるようにしてください。
なお、ホルモンバランスに働きかけますので、妊娠中の方はゼラニウムのトリートメントやアロマバスは控えて下さい。
「ゼラニウム」と「ローズゼラニウム」の違い
ちなみに、ゼラニウムの精油には「ローズゼラニウム」というものもありますが、これは通常の「ゼラニウム」とは異なるものなのでしょうか?
結論から言うと、「ゼラニウム」も「ローズゼラニウム」も、同じPelargonium graveolensから得られるのですが、より厳密な名称としては、ゼラニウムはPelargonium graveolensから、ローズゼラニウムはPelargonium graveolens var. Roseumから、ということで、少し品種が異なります(Pelargonium graveolensの変種)。
両者の精油の特性は大きく変わらないのですが、「ローズゼラニウム」のほうがよりローズの香りが強く、人気が高いです。
ローズゼラニウムについては、産地や学名の点でいろいろと議論や混乱があり、メーカーによっても主張が異なります。「ローズゼラニウム」という名前は、かつてレユニオン島で生産された「ゼラニウム・ブルボン」という特定の品種から得られる精油に対して使われました。ただ、今では「ローズゼラニウム」の精油は世界中で生産されています。
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ゼラニウムは、スキンケアにとても人気の高い精油ですね。手作りローションなどをつくってフェイシャルケアに使うと、お肌のバランスも整ってきますのでおすすめです。
一方で、このゼラニウムは女性にとてもやさしい精油でもあります。女性特有のお悩みをお持ちの場合には、ゼラニウムとクラリセージをキャリアオイルで0.5~1%に希釈したトリートメントオイルを使って毎日トリートメントすることをおすすめします。
毎日のトリートメントは面倒かもしれませんが、1日ほんの少しでも自分のために時間をかけると、カラダはとても素直な反応を見せてくれますよ。
面倒な方は、お風呂に数滴落として香りを楽しみましょう。
ゼラニウムのおすすめの使い方
フェイシャルパックでお肌を元気に
カオリンなどのクレイ(大さじ1杯)に精製水を大さじ1杯を加え、ゼラニウム精油を1滴加えてペースト状になるまで練り合わせます。お肌の気になる部分に5分ほどパックし、ぬるま湯で洗い流しましょう。ゼラニウムが皮脂のバランスを整え、また血流を促してお肌の血色を良くしてくれます。
ビタミンなどの栄養分を豊富に含んだスイートアーモンドオイルを小さじ1杯ほど加えてもよいでしょう。
立ち仕事で足がパンパンなときに、むくみの改善に
立ち仕事などが続いて足がパンパンなときには、ゼラニウムを使ったアロママッサージが効果的です。ホホバオイルやスイートアーモンドオイルなどのキャリアオイルにゼラニウムの精油を数滴ブレンドしてマッサージをします。この際、リンパの流れを意識して、体の先端部分から中心部分に向かってマッサージを行うと効果的です。
ジュニパーやサイプレスをブレンドしても良いでしょう。
虫除けに
ゼラニウム精油を入れたルームフレッシュナーを作って、空間や網戸にスプレーします。ユーカリ・シトリオドラやシトロネラをブレンドすると、より効果的です。
ゼラニウムと相性の良い精油
オレンジ、クラリセージ、グレープフルーツ、サンダルウッド、シダーウッド、シトロネラ、ジャスミン、ネロリ、バジル、プチグレン、ベルガモット、ライム、ラベンダー、ローズマリー
いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!