ユーカリ・シトリオドラの効能を徹底解説!夏に活躍するレモンユーカリの効果と特徴

ユーカリ・シトリオドラ精油
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ユーカリ・シトリオドラは・・・爽やかな香りね。ちょっとレモンぽい?

はい。「レモンユーカリ」という別名もあります。虫よけに良い精油として、特に夏に人気が高い香りです

いわゆる「ユーカリ」とは全然ちがうのね。スッキリ系ではなさそう

そうですね。成分の大部分はシトラールですので、まったくの別物といって良いですね。以下で詳しく見ていきましょう

目次

ユーカリ・シトリオドラってどんな精油?

ユーカリ・シトリオドラ

どんな香り?

軽く、かすかにレモンに似た香り

どんな植物?

ユーカリ・シトリオドラはオーストラリア原産の常緑樹。クイーンズランド州に多く分布しています。樹高は40メートルほどにまで達し、香りのある細長い葉をつけます。ユーカリの仲間ですが、一般的なユーカリとは香りが異なり、レモンのような爽やかな芳香をもっているのが特徴です。別名「レモンユーカリ」とも呼ばれます。

エピソードや歴史、豆知識など

ユーカリ・シトリオドラはユーカリ特有の1,8-シネオールをほとんど含まず、そのかわりにシトロネラールを多く含有しています。この成分は、虫に対して強力な忌避作用を持つため、虫よけには非常に有効な精油です。また、抗菌作用や鎮静作用も高く、消臭やリラックスの効果も期待できます。

ユーカリ・シトリオドラの学名は、従来は「Eucalyptus citriodora」でしたが、現在は「Corymbia citriodora」に変更されています。1990年まで、コリンビア属はユーカリ属に含まれており、分類を分けることが妥当なのかどうかについて、植物学者の間でも議論がおこなわれてきました。現在は「Corymbia citriodora」の名称がオーストラリア植物センサスにも採用されています。
なお、「citriodora」は、ラテン語で「レモンの香り」を意味します。

ユーカリ・シトリオドラ精油のプロフィール

ユーカリ・シトリオドラ

エッセンシャルオイルデータ(学名、成分など)

英名ユーカリ・シトリオドラ (レモンユーカリ)
和名ユーカリ・シトリオドラ (レモンユーカリ)
学名Corymbia citriodora
科名フトモモ科
抽出部位
抽出方法水蒸気蒸留法
主な産地オーストラリア、中国、ブラジル、インド、グアテマラ、ケニア
主な成分シトロネラール(46.87%)、イソプレゴール(7.68%)、シトロネロール(7.47%)、3-テトラデカノール(4.98%)、シトロネル酸(4.31%)など
主な効能、効果抗菌作用、抗真菌作用、防虫作用、蚊・ダニ駆虫、抗炎症作用、鎮静作用
香りの系統柑橘系
香りのノートトップノート

ユーカリ・シトリオドラ精油の主な成分と作用

ユーカリ・シトリオドラの成分分析表
データ引用元:
Chemical Composition Analysis of Eucalyptus citriodora Essential Oil Using GC-MS and NMR Spectroscopy

シトロネラール

ユーカリ・シトリオドラ精油の主成分であるシトロネラールは、特に虫よけ効果で有名です。爽やかな香りで、気分をリフレッシュさせる働きがあります。また、抗炎症や抗菌の作用があるため、肌のかゆみや炎症を和らげる目的でも活用されます。リラクゼーション効果もあり、心地よい空間作りにも役立ちます。

イソプレゴール

イソプレゴールは、心を落ち着ける作用を持つ成分で、不安や緊張を和らげるのに適しています。穏やかな鎮静作用がストレスを軽減し、リラックスした状態へと導いてくれます。また、筋肉のこわばりを緩和する働きもあり、肩こりや筋肉痛のケアにも効果が期待できます。

シトロネロール

柔らかいフローラル調の香りを持つシトロネロールは、防虫の効果が高く、特に自然由来の虫よけアイテムとして利用されます。また、お肌をしっとりと保つ効果があり、乾燥肌や敏感肌のケアにもおすすめできます。さらに抗菌作用もあるため、肌を清潔に保ちたいときや感染予防にも適しています。心地よい香りで、リフレッシュだけでなく穏やかな癒しの効果も期待できます。

3-テトラデカノール

3-テトラデカノールは、ユーカリ・シトリオドラ精油に含まれるアルコール成分で、抗菌や抗ウイルス作用を発揮します。この成分は、肌の保護をサポートするバリア効果を持ち、外的刺激からお肌を守る役割を果たします。また、保湿の効果も優れており、乾燥によるトラブルを予防し、しっとりとした肌を保つのに役立ちます。穏やかな作用で、敏感肌にもおすすめできます。

シトロネル酸

シトロネル酸は、優れた抗菌・抗真菌作用を持つ成分で、肌を清潔に保つのに役立ちます。特に、ニキビや脂性肌のケアにおいて、皮脂の分泌を整えながら肌を落ち着かせる効果が期待できます。また、防虫効果もあり、アウトドアシーンでの使用にも適した成分です。お肌に優しい特性から、日常のスキンケアにも安心して取り入れられます。

ユーカリ・シトリオドラの効能や効果

こころに対する効能

鎮静作用

  • 気持ちを切り替え、明るくリフレッシュさせる
  • イライラやストレスを鎮め、リラックスさせる

からだに対する効能

鎮静作用、鎮痙作用、鎮痛作用、消毒作用、抗炎症作用、抗菌作用、抗真菌作用、駆虫作用、デオドラント作用、抗リウマチ作用

  • 肩こりや筋肉痛の痛みをやわらげる
  • 関節痛やリウマチ、坐骨神経痛の症状を改善する

肌に対する効能

抗菌作用、抗真菌作用、抗炎症作用、消毒作用

  • 乾燥肌や敏感肌におすすめ

専門家からのアドバイス(注意点なども)

ユーカリ・シトリオドラ

元AEAJアロマテラピーインストラクターで、20年以上アロマ業界にいた私から一言

ユーカリ・シトリオドラは、夏のイメージの強いエッセンシャルオイルです。虫の嫌がる成分を多く含んでいることから、虫除けを考えるときには第一選択として選びたい精油ですね。スプレーの利用がおすすめです。

「レモンユーカリ」の別名のとおり、ほのかにレモンに似た雰囲気をもっているため、普通のユーカリ・グロブルスなどよりも、他の香りと合わせやすいですね。効能の似たレモングラスゼラニウムを合わせても良いですし、スッキリとした香りのティーツリーペパーミントを合わせても良いでしょう。

ユーカリ・シトリオドラはお肌を刺激する場合がありますので、気になる方は、事前に腕の内側などでパッチテストを行ってください。

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陽気な気分を運んできてくれるユーカリシトリオドラですが、私にとってはトリートメントでお世話になるイメージですね。例えば、長時間立ちっぱなしだったときや、普段動かしたことのないような筋肉を使ったときなどです。

うすめにトリートメントオイルを作り(1%未満)、脚やふくらはぎなどをしっかりと揉みほぐしてマッサージします。次の日がとてもスッキリ過ごせますよ。

ユーカリ・シトリオドラは、レモンにも似た雰囲気を持っているので、普通のユーカリよりもブレンドの幅が広いような気がします。ユーカリ・グロブルスやラディアータにブレンドしてもイマイチしっくりこないような精油も、シトリオドラにならピッタリと合うことが少なくありません。

私はこの香りを、どちらかといえばリフレッシュに使うことが多いのですが、この香りでリラックスできるという人も多いです。両方の作用を合わせ持っている精油ですね。香りの感じ方は千差万別ですが、皆さんはリフレッシュ派でしょうか? それともリラックス派?

ユーカリ・シトリオドラのおすすめの使い方

虫除けスプレー

手作り虫除けスプレーとして

ユーカリ・シトリオドラのもつ昆虫忌避作用を利用して、ナチュラルな虫除けスプレーを作ってみましょう。50mlのスプレーボトルに、5ml(全体量の10%ほど)のグリセリンを入れ、ユーカリ・シトリオドラ精油を10滴入れてかき混ぜます。その後、精製水でボトルを満たせば完成です。よく振ってから腕や足などの露出した部分にスプレーしましょう。グリセリンを使うと、保湿の効果もプラスできます。

市販の虫除けスプレーほど効果が長持ちしないため、こまめにつけ直してください。同じような虫除け作用のあるレモングラスゼラニウムをブレンドすると、また違った雰囲気の香りが楽しめます。

夏の日のリフレッシュ、リラックスに

ほのかにレモンの香りのするユーカリ・シトリオドラは、リフレッシュだけでなく、高い鎮静作用があることでも知られます。暑くてやる気がでないとき、疲れて休憩をとりたいときなどにお部屋に香らせてみてはいかがでしょうか? ちょっとした昼寝などにもおすすめです。アロマライトなどで、ほのかにお部屋に香りをひろげてみてください。

ユーカリ・シトリオドラと相性の良い精油

エッセンシャルオイル

ゼラニウムティーツリー、パルマローザ、ペパーミントラベンダーローズマリー

いかがでしたでしょうか?
毎日の健康に、そして美容に、アロマテラピーをぜひ活用してください!

著者プロフィール
元AEAJアロマテラピーインストラクター。エッセンシャルオイルの貿易実務に20年以上たずさわってきました。海外のアロマの文献などもチェックしています。

参考文献:
「アロマテラピーのための84の精油」ワンダ・セラー著 フレグランスジャーナル社
「精油の安全性ガイド(上巻、下巻)」ロバート・ティスランド著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー事典」パトリシア・デービス著 フレグランスジャーナル社
「エッセンシャルオイル総覧2007」三上杏平著 フレグランスジャーナル社
「アロマテラピー検定テキスト(1級、2級)」鳥居鎮夫監修 社団法人日本アロマ環境協会
「アロマテラピーの事典」林真一郎著 東京堂出版
「キャリアオイル事典」レン・プライス著 東京堂出版
「アロマテラピー図鑑」佐々木薫監修 主婦の友社
「女性によく効くアロマセラピー」鮫島浩二著 主婦の友社
「アロマテラピーの事典」篠原直子著 成美堂出版
「はじめてのアロマテラピー」佐々木薫監修 池田書店
「はじめる、楽しむ アロマテラピー」石原裕子監修 永岡書店
「アロマテラピーバイブル」塩屋紹子監修 成美堂出版

アロマテラピーは、病気の治療を目的とした医療行為ではありません。また、当サイトの情報は、精油の医学的な効能、効果を保証するものでもありません。精油を使用する際には、製品についての注意事項をよく読み、自己責任の下、正しくお使い下さい。妊娠中の方、病気のある方、健康状態のすぐれない方は、必ず事前に医師にご相談下さい。 なお、一般的な呼称に合わせて、エッセンシャルオイル(精油)をアロマオイルと表記する場合もあります。

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