失敗しないための精油の選び方ガイド

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「精油はどこに気をつけて選んだらいいの? どんな香りを選んだらいいの?」

世の中にはあまりにも多くの精油メーカーがあり、さらに価格もまちまちなので、いったいどれを選んだらよいか迷ってしまいますよね。

このページでは、「こんな精油は選んではいけない」といった、失敗しないための精油選びのポイントについてご説明いたします。

これを読んでおけば、精油選びに迷うことはありませんよ!

目次

信頼できるエッセンシャルオイルを選ぶために

「エッセンシャルオイル(精油)」についてのおさらい

アロマテラピーを楽しむためには、「エッセンシャルオイル(=精油)」が必要になります。エッセンシャルオイルは植物の果皮や花などから抽出した天然のオイルです。

「エッセンシャルオイル」のくわしい定義は、以下のページで解説しています。

100%ピュアな精油を選ぶ 重要度:★★★

まずは、原則として100%ピュアな精油を選んで下さい

ピュア(pure)とは「混じり気がない」という意味で、エタノールなどで希釈していない、あるいは他の精油を混ぜていないことを意味します。

「Pure & Natural」、「100% Pure Essential Oil」などの記載があれば問題ありません。

学名、産地などの記載がある精油を選ぶ 重要度:★★★

「学名」、「産地」、「抽出部位」、「抽出方法」の4つが、商品ラベルやパッケージに記載されている精油を選んでください。
例えば、スイートオレンジでは以下のような情報になります。

  • 学名: Citrus sinensis
  • 原産国: イタリア
  • 抽出部位: 果皮
  • 抽出方法: 圧搾法

遮光瓶に入っている精油を選ぶ 重要度:★★★

精油は遮光瓶(しゃこうびん)に入っているものを選んでください。

遮光瓶とは、文字通り「光を遮(さえぎ)る」ためのビンで、光による変質や劣化を防ぐために「青色」や「茶色」の着色がほどこしてあるものをいいます。
遮光瓶の材質はガラス製です。プラスチック製のものは避けてください(溶ける場合があります)。

ちなみに色ですが、アロマテラピーで使われる容器は「青色」と「茶色」がほとんどで、「緑色」と「赤色」が少数派です。

本来の遮光の目的からすれば、濃い色である「茶色」がもっとも望ましいのですが、どうしても見た目が薬品のようになってしまうのが残念なところです。現時点でいちばん人気が高いのはおそらく「青色」ですが、これは見た目のオシャレ度が大きく影響しているといえるでしょう。

セキュリティキャップの付いた精油を選ぶ 重要度:★★★

開封と未開封がひと目で分かるセキュリティキャップを採用している精油を選んでください。
英語では「tamper-evident cap タンパーエビデントキャップ」といいます。

これは開封するとキャップ下のリングが切れて、開封のあとがわかるというものです。
開封のあとが分からないキャップだと、一度誰かの手に渡った後に返品になったものに、精油を追加して再販売する、などといったことが可能になってしまい、著しく信頼度が下がります。

このキャップにはそれほど大きなコストはかかりませんので、精油メーカーの姿勢を判断する意味でも、必須のチェック項目というべきでしょう。

ドロッパーのついている精油を選ぶ 重要度:★★★

一滴づつ滴下するためのドロッパーのついている精油を選んでください。ドロッパーの滴下量は、1滴0.05ml~0.06mlくらいが主流です。

容量の小さい精油に多いのですが、付属のスポイトなどを使って吸い上げるタイプのものは、非常に使い勝手が悪いため、アロマの楽しさも半減してしまいます。

精油のビンを傾けるだけでポタポタと適量を出すことのできる精油を使いましょう。

<発展編> より良い精油選びのために(注意点あり)

ここからは「発展編」ということで、もう少し踏み込んだ点について解説します。

精油選びで大事なのは、その精油メーカーが信用できるか、といったことにつきます。ただ、これを客観的に証明する指標というのは、実はあまりありません。

唯一のものとして、AEAJの認定制度などがありますが、これとて品質に踏み込んだものではありません。最終的には、メーカーのホームページ情報や購入者のレビューなどから、総合的に判断するしかないでしょう。

ここからは重要度としては星2つから星1つとしていますが、メーカーの言うことを盲目的に信じてしまう方も多いですので、注意の意味も込めて、アロマ業界の裏話なども交えながら解説していきます。

「AEAJ表示基準適合認定精油」を選ぶ 重要度:★★☆

(公社)日本アロマ環境協会では、精油の表示(ラベルやパッケージ上に記載する項目)についての基準を設けており、協会からその認定を受けている精油ブランドは、他の精油に比べてやや信頼性が高いと考えてよいでしょう。

認定を受けるには、(公社)日本アロマ環境協会の法人会員になる必要があり、また認定にあたって審査があるなど、ハードルが上がるからです。

具体的な表示項目は、以下の8項目と、4つの注意事項です。

表示項目

  1. ブランド名
  2. 品名 :「ラベンダー」「ペパーミント」など
  3. 学名 :「Citrus sinensis」「Eucalyptus globulus」など
  4. 抽出部分(部位) :「花」「果皮」など
  5. 抽出方法 :「水蒸気蒸留法」「圧搾法」など
  6. 生産国(生産地)または原産国(原産地) :「フランス」「イタリア」など
  7. 内容量
  8. 発売元または輸入元

使用上の注意事項
1. 原液を皮膚につけないでください。
2. 絶対に飲用しないでください。
3. お子様の手の届かないところに保管してください。
4. 火気には十分ご注意ください。

ここでいう認定制度とは、あくまで「表示基準」の認定であり、「精油の品質」の認定ではないことに注意してください。つまり、ラベルの表記がしっかりしているというだけの意味であり、品質の良い精油が入っているという意味ではありません。あくまで企業の姿勢を見る上での指標の一つと考えましょう。

安すぎない精油を選ぶ 重要度:★★☆

あまり安すぎない精油を選ぶというのも大事なポイントです。

ただ、◯◯円以下はダメ、などという基準がないため、こればかりは他の商品と見比べて常識で判断するしかありません。精油のパッケージやホームページに記載されている情報、商品レビューなどを総合的に考えて選ぶ必要があります。

海外の精油メーカーから直接買い付けて日本側で充填を行うことでコストを下げることはもちろん可能です。ただ、この場合は、日本側で大ロットの精油をどのように保管しているのか、充填用の器具はしっかりと洗浄されているのか、など別の心配が生じます。薄利多売で数を売るのに忙しい会社は、いろいろな部分が雑になるものです。

また、安さを売りにする業者の中には、ラベルの印字を家庭用のプリンタで行っているような、素人に毛が生えたようなところも多くあります。

少なくとも、会社組織として運営されているほうがよいですし、できればアロマテラピーを専門にしている会社を選んだほうが良いしょう。自社の工場がしっかり整備されている会社は、より信頼性が高いです。

ロット管理がしっかりしている精油を選ぶ 重要度:★★☆

精油のラベルにロット番号を付与するなど、ロット管理がしっかりしている会社は信頼性が高いと考えて良いでしょう。ここでいうロットとは一つの固まりや単位を意味する言葉で、会社によってやり方は異なりますが、ある仕入れごと、ある製造ごとのひと固まりという意味です。

精油というのは自然由来のものですので、先月仕入れた精油と今月仕入れた精油が同じ香りとは限りません。先月のオレンジはブラジル産で、今月のオレンジはイタリア産、などということも頻繁に起こります。

産地表示の変更も含めて、このようなロットごとの管理をしっかりと行っている会社は、仮にクレームなどが発生した場合でも素早く原因究明ができますし、そのほかの点についても丁寧な対応をしている印象があります。

成分分析表を添付している(開示している)精油を選ぶ 重要度:★☆☆

成分分析表というのは、精油を分析機器にかけて成分を分析し、それを表にまとめたものです。一般的にいえば、これは精油の信頼性を高める上でとても良いことですので、成分分析表を開示しているということを条件に精油を選ぶ方も多いと思います。

これを「星1つ」にしているのには、理由があります。つまり、本当にその分析表が正しいかどうか、誰にも分からないからです。

以前、日本アロマ環境協会の方に聞いた話なのですが、協会が精油の認定制度をつくる際に、まず品質の認定について最初に検討をしたそうです。そこで、成分分析表を開示している複数の会社から精油を購入して、こっそりと成分分析にかけて検証してみたそうなのですが、残念なことに正しいデータを開示している会社がほとんどなかったそうです。

そこで、協会では「品質」の認定はあきらめ、「表示」のみの認定制度にしたとのことでした。

そもそも、検査機関に検査を依頼すると、1試料あたり1~3万円はかかるわけで、30種類の精油があればその30倍の費用がかかります。もし、毎月のように海外から精油を仕入れているならば、精油のロットは仕入れごとに変わる場合もありますので、それだけで毎月膨大な検査料がかかるはずです。

そのため、自社で数百万円の測定機器をもっていない会社は、検査のコストやデータ更新の手間をきらって以前の測定データを使いまわしてしまう、ということが起こりやすくなります。

もちろん、すべての会社がそうだとは言いません。
もし、成分分析データを開示している会社があれば、そのデータが更新されているかどうか、定期的にチェックしてみると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

精油を選ぶ際は、まず最初に100%ピュアか、産地や学名をラベルに記載しているか、遮光瓶に入っているか、ドロッパーはついているか、といった点をチェックすることが大切です。

その上で重要なのが、その会社が信頼できそうな会社かということになりますが、安すぎない価格で、かつ「AEAJ表示基準適合認定精油」であれば、精油選びで大きな失敗をすることも少ないでしょう。

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